牛若丸ジャパンなら文句なしのエース!ヤクルトの小さなエース・石川雅規

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 大谷、藤浪、柳田、田中……ビッグメンバー不在なら、むしろこんな冒険がして欲しい!

 2月15日、侍ジャパン強化試合、日本vs.台湾戦(3月5日:ナゴヤドーム、6日:京セラドーム大阪)に出場する日本代表メンバー26人が発表された。昨秋行われた「プレミア12」に出場したメンバーを軸に、新たに秋吉亮投手(ヤクルト)、梶谷隆幸(DeNA)、西野勇士、清田育宏(ともにロッテ)らを招集。その一方で、大谷翔平(日本ハム)は出場辞退。故障明けの藤浪晋太郎(阪神)、柳田悠岐(ソフトバンク)は招集見送り。アマチュアからの代表入りも検討された今年のドラフト大本命、田中正義(創価大)も招集見送りと、若干の物足りなさも否めない。

 ただ、やっと野球もサッカーのように代表選考・発表で一喜一憂できる時代になったんだなぁ、と感慨深くもある。この代表選考を酒の肴に「俺ならあいつを選ぶ」「こんなオーダーを組みたい」といった野球談義をしているファンもいるだろう。その際、何らかの「縛り」を設けてみると、メンバー選考がより難しく、楽しいものになる。

 出身校別、出身地別、足の速い選手だけ……とさまざまな縛りが検討可能。その中で本稿ではあえて「身長」、ズバリ「170cm以下」という縛りを設けて代表選考してみたい。いわゆる小兵選手だけでも魅力的なチームが作れる、となれば、全国のちびっ子にも夢を与えることができるのではないだろうか。命名するならば「U-170日本代表」、もしくは、侍ジャパンならぬ「牛若丸ジャパン」だ。

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■投手

(右):美馬学(楽天・168cm)
(左):石川雅規(ヤクルト・167cm)

 牛若丸ジャパンの投手陣を支える両輪はこの二人で決まり。最優秀防御率のタイトル経験もある石川、2013年の日本シリーズMVP男、美馬学。国際舞台でも力を発揮できる実績、経験値があるはずだ。

■捕手:森友哉(西武・170cm)

 このチームの「絶対的4番」が森友哉だ。昨季高卒2年目で17本塁打と大器の片鱗を見せつけた。本家・侍ジャパンに選出されてもおかしくはない長打力と存在感がある。課題は昨季、一度も捕手としては出場機会がなかったこと。今季もDH中心の起用が濃厚だが、果たして!?

■一塁手:大粼雄太朗(西武・169cm)

 身長170cm以下、という縛りを設けると、どうしても難しいのが背の高い選手が守りがちの一塁守備。そこで、本職は外野手ではあるものの、過去に公式戦でも一塁守備の経験がある大粼を抜擢したい。

■二塁手:水口大地(西武・163cm)

 一塁手とは打って変わって、小兵選手にとって激戦区になるのが二塁手だ。ここはあえて、まだ1軍経験はないものの、昨季、ウエスタンリーグの月間MVPを受賞した「球界最低身長選手」、西武の水口大地を推したい。

■三塁手:西野真弘(オリックス・167cm)

 昨季は一時期、新人王最右翼、ともいわれたオリックスの西野。ケガのため出場は57試合にとどまったが、打率3割超え、本塁打も3本放つなど、意気消沈気味のオリックスにあって大暴れをしてみせた。本職は二塁手だが、三塁守備経験もあるため、この位置での選出となった。

■遊撃手:内村賢介(DeNA・163cm)

 水口大地と並んで、球界最低身長を誇る(?)内村賢介。今季でプロ生活9年目、その実績を買って遊撃手を任せたい。これで守備の要、二遊間を163cmコンビが組むことになるのもこの「牛若丸ジャパン」のセールスポイントのひとつ。守備範囲では決して見劣りしないはずだ。

■外野手:

松本哲也(巨人・168cm)
中東直己(広島・168cm)
友永翔太(中日・170cm)

 外野陣も、背は低くとも守備範囲では決して大型選手にも負けない3人が並んだ。特に新人王・ゴールデングラブ賞の受賞歴がある松本、今季プロ10年目を迎える中東の両名は、チームリーダーとしての役割も期待したい。

■控え投手:

野田昇吾(西武・167cm)
成田翔(ロッテ・170cm)

■控え野手:

柴田竜拓(DeNA・167cm)

 控えメンバーには、奇しくも昨秋ドラフト会議で3位指名されたルーキー3名を加えたい。従来、背の低い選手はスカウトに見向きもされない、というのが定説だったが、「3位指名」という順位からも、低身長に反比例する期待の高さが見てとれる。今季の活躍次第では、来秋のドラフト戦線にも異状が発生するかもしれない。

■監督:真中満(ヤクルト・170cm)

 牛若丸ジャパンの指揮官には、やはり170cm以下の人物が望ましい。レジェンド枠からであれば若松勉氏(元ヤクルト・168cm)だろうが、現役指揮官であり、昨季のセ・リーグ覇者であるヤクルト監督、真中満も魅力的だ。ヤクルト個性派集団を束ねたその統率力はこのチームにこそ相応しい。

 こうして見ると、ヤクルトと西武の2球団は不思議なほど小兵選手が多いことがわかる。こんなメンバーで代表チームが組めれば、八艘飛びよろしく、華麗なフットワークで球場を所狭しと大暴れしてくれるのではないだろうか。

 読者諸氏にも、それぞれの「縛り」「こだわり」をもって、自分ならどんな代表チームを組むか、を是非一度考察して欲しい。その視点を持つことで、本家・侍ジャパンに対する評価基準は今よりももっと厳しいものになるはずだ。それこそが、侍ジャパンを強くする一番の鍵なのではないだろうか。

文=オグマナオト(おぐま・なおと)

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