耐寒健康法は世界各地にあるものの、日本のように「幼い時から寒さを体験させる」国は多くないようだ。中国メディアの中国新聞網はこのほど、「日本の耐寒教育:おしゃれのためではない」と題して寒さに強い子どもを育てる日本の教育方針に関する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 耐寒健康法は世界各地にあるものの、日本のように「幼い時から寒さを体験させる」国は多くないようだ。中国メディアの中国新聞網はこのほど、「日本の耐寒教育:おしゃれのためではない」と題して寒さに強い子どもを育てる日本の教育方針に関する記事を掲載した。

 記事は、日本では幼稚園で子どもたちが半袖短パンで運動をしていること等を挙げ、「これは日本の冬が暖かいからではなく、一種の修行文化であり、教育である」とし、日本の伝統、歴史と深く関係していると分析。たとえば、日本人が長い間、自然と一体になるという価値観を重要視してきたことや、「子どもは風の子」ということわざがあるように、子どもにはもともと寒さに強いという考え方から、外で四季の変化を感じ取り、特に冬の寒さを体験することは、日本に昔からある自然に対する考え方に合致すると説明した。

 また、耐寒体験は「日本の武士文化と木造文化が続いている」ことを表しているとも主張。700年近く続いた武士文化の精神は、簡素な服と質素な生活を重視することで、潜在力を発揮させ体を鍛えることが核心であり、日本の木造家屋は、構造的に寒さを完全に防ぐことは出来ないため、「日本人を寒さに慣れさせた」のだと論じた。

 さらに記事は、日本には子どものみならず大人が極寒のなかで行う修業もあると紹介。滝に打たれる滝行や、大雪のなかを裸で行う修行などがあるとし、これは健康のためのみならず、心を清めて意志を強めるという意味もあるようだと説明した。そして、「このような伝統文化の中で、民族の未来を担う子どもたちにこういう教育を与えるのは自然なことだ」と論じた。
 
 このように、日本の耐寒教育には歴史、文化、社会などの多くの要素が関係しており、この独特の鍛錬方法は、女性が「寒さよりもおしゃれ」を優先するのとは違い、心身ともに子どもの潜在力を掘り起こす目的があると言える。一人っ子政策の影響で、子どもを甘やかして育てる傾向にある中国人からすれば、日本の子どもたちに対する耐寒教育はまさに修業のように映るのだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)