「Billboard JAPAN〜」投票ページ。現在は東方神起がトップ

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 ビルボードジャパンが主催するユーザー投票型の音楽賞「Billboard JAPAN Music Awards 2015」において、SKE48と東方神起のファン同士の激しいバトルが繰り広げられている。双方のファンが躍起になって大量投票するあまり、他のアーティストのファンから批判が巻き起こる事態になっているようだ。

過熱する「大量投票合戦」に音楽ファンはあきれ顔

 同賞はBillboard JAPAN 2015年間総合チャート100曲を対象に、Twitter投票とカラオケ「DAM」で歌われた回数を基にした歌唱ポイントを合算してユーザー主体の「今年のヒット曲」ランキングを決めるもの。投票期間は12月11日13:00〜12月31日23:59までとなっている。

 Twitter投票は公式サイトでリアルタイム速報が行われており、SKE48の「前のめり」と東方神起の「サクラミチ」が一進一退でトップを争っている。ユーザーの位置情報を基に各都道府県別の1位も掲載しているが、どの地域でも1位はSKEか東方神起。ツイート数の中間結果は東方神起が1位になったが、SKEも負けずに肉薄している。

 3位以下に三代目 J Soul Brothersの「R.Y.U.S.E.I.」、嵐の「Sakura」、AKB48の「僕たちは戦わない」なども入っているが、二強が圧倒的に他を引き離している状況だ。

「投票タグ・曲名・アーティスト名」が入った全てのツイートを集計するため、一人で何度でも投票できてしまうことから極端な大量投票が行われているようである。SKEファンと東方神起ファンは双方とも同志に大量投票を呼び掛けており、意外にもいがみ合うことなく「東方神起のファン熱いな」「SKEペン(韓国語でファンのこと)もすごい!」などと互いにエールを送りながら競っている。

 しかし、これに興醒めしているのが一般の音楽ファンたちだ。二強のデッドヒートをよそに、以下のような批判的な意見が数多く飛び交っている。

「ドルオタみんな頭おかしい」
「普通の音楽ファンは参加する気が失せるよ」
「ランキングを荒らす迷惑行為なのでは?」
「これだからK-POPファンもアイドルオタも嫌い」

 もともと東方神起ファンは熱狂的なことで知られ、一方のSKEファンも2015年はNHK『紅白歌合戦』落選や人気メンバーのスキャンダル脱退など暗いニュースが多かっただけに鬱憤を晴らしたい気持ちが強い。それゆえに熱いバトルとなっているのだが、大量投票を争うという不毛な構図に辟易しているユーザーが多いようだ。

ファンのバトルが逆効果?リアル人気のなさ浮き彫りに

 いまだ双方のファンが熱くなっているが、12月22日に公表された総合の中間結果は驚くべきものだった。1位は西野カナの「トリセツ」、2位がback numberの「クリスマスソング」、3位が乃木坂46の「今、話したい誰かがいる」という結果だったのだ。

 東方神起の「サクラミチ」は6位、SKE48の「前のめり」は7位。どちらもトップ5入りすら逃してしまっている。

「Twitter投票で圧倒的だったSKE48と東方神起ですが、どちらもカラオケ人気のなさが響いたのでしょう。あくまでツイート数とカラオケ歌唱数を総合したランキング。カラオケは大量投票が難しいのでリアルな人気が出てしまう。西野カナの『トリセツ』はカラオケ人気が非常に高く、ツイート数でも中間発表で4位と健闘しているので納得のトップ。2位のback numberはツイート数でベスト10入りすらしていませんから、カラオケ歌唱数が異常に多いということになります」(音楽ライター)

 せっかく大量投票でツイート数トップに押し上げられていた両グループだが、カラオケでの支持のなさが余計に際立つという切ない結果になってしまったようだ。これではファンの大量投票バトルが逆効果になっているようにも見える。

「乃木坂46はツイート数で中間3位でしたが、カラオケで票を伸ばしてSKE48に逆転。総合トップ3入りした。グループの勢いと女性支持の高まりが功を奏したのでしょう。実人気の差があらわになってしまったSKE48にとっては屈辱的かもしれません」(前同)

 実は前回も起こった現象であり、昨年は東方神起が2曲のシングルでツイート数ランキングの1位と2位を独占。しかし、総合の結果は西野カナの「Darling」が1位となり、東方神起は4位と5位に終わった。

 注目を集めているSKE48と東方神起のバトルだが、最後は西野カナの二連覇で吹き飛ばされてしまうかも……?

(取材・文/夢野京太郎)