学生の窓口編集部

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なぜか「日本再評価」みたいな本が流行している最近でありますが、漫画でも同じような主旨の本が刊行されて、しかも人気です。今回は、「外国人から見た日本」をテーマにした面白い漫画をご紹介します。

●『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』オーサ・イェークストロム

作者のオーサ・イェークストロムさんは、スウェーデン人の漫画家です。自国スウェーデンでも単行本を出版した経験を持つ人ですが、一念発起して来日、日本で暮らす中で体験したこと、思ったことを4コマ漫画の形でまとめたのが本作です。

おにぎりは「ツナマヨ」が一番好きで、2番目は「サケ」だそうで、ナンパを断る際には「英語でまくし立てて怖がらせる」などの秘技を編み出すほど、日本の生活に慣れていらっしゃいます。本作の中にスウェーデンに帰省する章がありますが、日本とスウェーデンの違いに関する描写などはとても興味深く読めます。

日本文化の面白さをつづった内容もさることながら、絵がきれいなことに驚かされます。描線が非常にシャープで美しく、かわいい絵柄が特徴です。また作者ご本人がとても美人なのです! 9月18日には第2巻が発売されます。

●『日本のことは、マンガとゲームで学びました。』原案・文:ベンジャミン・ボアズ/イラスト:青柳ちか

子供のころに日本のゲーム・漫画にふれ、その魅力に取り付かれたアメリカ人、ベジャミン・ボアズさんの経験などを青柳ちか先生が漫画化した作品です。ベンジャミンさんはちょっと変わっていて、好きな作品は『ゴルゴ13』『子連れ狼』、好きな漫画家は「高橋留美子」「西原理恵子」「吉田戦車」「古谷実」「片山まさゆき」etcという人なのです。

また日本語は「雀荘」で覚えたと語っています。フリーで雀荘に打ちに行き、日本人と麻雀を競う中で、日本語が堪能になったそうです。相当変わった経歴の人ですが、現在は「漫画王国」の日本に住んでいます。

本作では、初期ファミコンゲームの中に登場した英語がアメリカ人から見ると変だった件など、日本人には「知らなかったなぁ」という情報が満載です。

●『ドイツ育ちの”ハーフ”は知っている! 日本人、ここがステキで、ここがちょっとヘン。』原作:サンドラ・ヘフェリン/漫画:片桐了

サンドラ・ヘフェリンさんは、父親がドイツ人、母親が日本人でドイツのミュンヘン出身。日本在住が17年以上になるという人です。サンドラさんが日本について思うことを片桐先生が漫画にしたのが本作です。

自らが独日のハーフなので、独自の視点から日本を観察することができ、それが本作にも表れています。欧州文化と日本文化がどのように違っているかについては、日本人にとって「そうなのか」と興味深いことばかりです。

●『日本人の知らない日本語』海野凪子&蛇蔵

外国人相手の日本語教師を務めている海野凪子先生の面白い経験を、蛇蔵先生が漫画化した作品。大人気シリーズで現在まで4冊刊行されています。外国人の日本語に対する疑問はまさに「フリーダム」。使っている日本人が思いもしないようなものばかり。

例えば、「『冷める』と『冷える』の違いは何ですか?」「『教えていただけませんか』と『教えてくださいませんか』の違いを教えてください」といった質問がされるのです。このような難題に日々答えなければならない凪子先生の苦労は大変なものでしょう。

しかし、凪子先生の体験を通じて、外国人から見た「日本語」「日本」を知ることのできるとても面白い作品です。蛇蔵先生の作画もかわいらしく読みやすい紙面となっています。

「異文化に接すると、自分の国の文化について考えさせられる」とはよくいわれるところです。今回紹介した本は、どれも「当たり前すぎて日本人には見えにくいもの」を日本人に教えてくれるものばかりです。もし機会があったらぜひ読んでみてください。

(高橋モータース@dcp)