【富士急】何もかもがヤバい!一度入ったら抜け出せない「絶凶・戦慄迷宮」体験レポ【動画あり】

写真拡大

戻って来た最恐のお化け屋敷!!

富士急社長曰く「もはや嫌がらせ。ホラーハラスメント」。

【写真22枚】超恐怖&リアルな「絶凶・戦慄迷宮」フォトギャラリー

「絶凶・戦慄迷宮」で絶叫してきた。今夏リニューアルした最先端のテクノロジーを駆使して恐怖のどん底へ。

この夏、富士急ハイランドの戦慄迷宮が「絶凶・戦慄迷宮」として2年ぶりにリューアルされました。世界一歩行距離が長いお化け屋敷としてギネスにも認定された「戦慄迷宮」。

昨年は中国でパクリ“慈急病院”が登場し話題になるなど、様々な意味で国外からも注目されています。

‟史上最恐の戦慄迷宮”と言われた前回の「最恐戦慄迷宮 -暗黒病棟-」から怖さはさらに倍増したのでしょうか。さっそく絶叫体験してきました!

恐怖心を煽る音、匂い、アクター、小道具……。
とにかく隙がない。

壁や看板など、世界観の表現にも隙がない。少し燃えかけた建物。病院の看板。ポスター。
輸血セットなど医療用品の入っていた箱。

壁や天井のシミ。床に染み付いた血があちこちに。一体この病院で何があったのか……? 視覚的に想像力をかき立てる小物が随所にある。

絶凶・戦慄迷宮の世界観とは?

中に入るとほぼ真っ暗。うす気味悪い病院の待合室。ここで5分ほどのムービーを見て「絶凶・戦慄迷宮」の世界観に浸る。

ムービーから読みとれるストーリー設定は、こんな感じだ。

“慈急総合病院”が廃墟となる前のこと、恐ろしい事件が起きた。気の狂った医師が診察中に患者を襲いはじめたのだ。

事件から数年後、廃墟となった病院に女の子が迷い込む。廃院内を歩いているうちに、事件のあった過去の映像がフラッシュバックする。

医師が患者を襲う様子を見て女の子は逃げるが、医師に捕まってしまう。過去なのか現在なのか分からないまま、連れられたのは地下にある実験室。看護師、患者の死体が転がる……。

とにかく、ここはマッドドクターによる無差別殺人で血塗られた病院なのだという説明だ。

「なんで来たの……?」「ここにきちゃダメ…」小さな男の子のかすれた声がフロアに響く。まだ一歩も歩いてないのに、オープニングムービーの映像だけでビビリまくりだ。

しかし、信頼して身体を預けている医師に殺されるなんて、ほんといや〜な設定だ。

待合室から病院の中へ!

まず恐怖をかきたてるのは音。赤ちゃんの泣き声、うめき声。ただ聞こえるだけじゃない。耳にまとわりつくように立体的に響くのだ。他にも突然ロッカーを叩く音、床や壁を叩く音。あちこちで音が迫ってくる。

採血室、レントゲン室、診察室、新生児室、ロッカー室など、実際の病院と同じように部屋がいくつもある。

小道具には、実在する廃病院のものを使用

廊下には死体のような人形が置かれていたり、内蔵がつるされていたり、ベッドには死体が……。ホルマリン漬けになった骨や内蔵。血の海。医師に殺された患者や看護師さんたちだろうか。

ここでも細部へのこだわりがすごい。暗いからといって手抜きはない様子。実際に取り壊しになった廃病院3ヶ所から道具を集めたのだとか。リアルなはずだ。

視覚を全て奪われる恐怖「暗闇通路」

特に怖かったのが「暗闇通路」。

とにかく一切の光がない暗闇だ。何もないとよけいに想像がかき立てられる。手すりに沿って歩くだけなのに、何かが手に触れただけで、ビックリして飛びあがった。なんだか分からないという状態が一番精神的にこたえる。

逃げ場のない「監禁部屋」

また「監禁部屋」もひどい。部屋に入ると扉が閉まり、背後から何者かが襲いかかってくる。急いで逃げるが、次の部屋へ通じる扉がびくともしない。

近づいてくるお化け。逃げ場がない。とにかく扉をあけて「逃げないと!」とあせる。「わーーっ!!」パニクったその瞬間、扉が急に開いた。

これもほんの30秒くらいの出来事なのに、かなり精神的ダメージが大きかった。「早くドア開けてよ!!」「開けようとしてるんだよ!!」とグループ内もギクシャクすること間違いなし。でもこれって、ほとんどイジメじゃないの――!?

そういえば、プレス発表会で富士急行 代表取締役社長 堀内光一郎氏は以下のように述べていた。

「今年で17シーズン目、7代目になりますが、今回の怖さはほとんど嫌がらせに近いですね。最近は色々なハラスメントがありますが、まさに“ホラーハラスメント”と言えるでしょう」

堀内氏にそこまで言わせるアトラクション、やはり相当ヤバそうだ。

次々に襲い掛かるお化け。そろそろ耐えられない!!

歩く距離にして900mのギネス級のお化け屋敷。

最低でも約50分かかるという。歩けどもあるけどもゴールにたどり着けない……。真っ暗な長い廊下……。そりゃ出るよね。お化け……。とにかくいろんなお化けが出てきた。

あちこちで、登場するお化けの服やメイクもすごい。血のりのついた白衣やホルマリン漬けにされたような看護師のメイクも、実際にホラー映画を手掛けるスタッフによるものだそう。

メイクだけでなく、地獄の底から響くようなお化けの声もすごい。喉が枯れないか心配になるようなうめき声だ。

さらにお化けは予想したタイミングでは絶対にでてこない。まさか今来るとは……という絶妙なタイミングでやってくる。最後まで心臓がもつだろうか……。

もう……ダメだ……。耐えきれずリタイア扉へ――。

残念ながら途中退場となった。これまでの「戦慄迷宮」では2割ほどの人がリタイアするという。

ガックリと疲れ切った様子の参加者に
感想を聞いてみた。

「刺激があっておもしろかった!! 安心しきったところで、驚かされるのが怖かった」

「音とか、お化けも怖かった。あの看護師さんは最強ですね。最後まで行きたかったー!」

「お化けがでてきそうと思うと、逆のところからでてくるので、ホントに怖い!! ほぼ全部怖かった。お化けの声がリアル。近くまで寄って来るのがたまらなかった。恐怖で疲れた〜」

と反応はさまざま。疲れてはいるものの意外にも面白かったようだ。

爽やか企画担当者にインタビュー。

「自分がされて嫌なことをお化け屋敷に詰め込んだ」

このお化け屋敷を企画したという、富士急行株式会社 企画部企画課の古屋さんにお話を伺った。あんな恐いものを作り出しているなんて、この優しげで爽やかな笑顔からは想像できない。

――お化け屋敷は好きですか?

お化け屋敷、大嫌いです。ホラー映画も嫌いです。イヤなんですけど、仕事柄しょうがなく、日本中のお化け屋敷には行っています。視察や、こうしたリニューアルのチェックにも行かなきゃいけないんですけど、後輩を連れて行って先に歩いてもらって、後ろからしがみついて入ります。

――古屋さんのイチオシと、なぜそれを企画したのかを教えてください。

今回の目玉の「暗闇通路」です。長野県の善光寺でお戒壇めぐりを体験したんですが、真っ暗なところを手探りで通るんです。それがとにかく怖くて。

お寺にそういう空間があるって怖いじゃないですか。病院もそうなったら最悪だなと思って。じゃあそれを取り入れようと思って作りました(爽やかにほほ笑む)。

――ご自分がイヤだと思うことを取り入れたんですか?

そうです。あと私は閉所恐怖症なので、閉じ込められるのがすごく怖いんです。じゃあ閉じ込めようって。そこから「監禁部屋」を考えました。基本的に自分がされて嫌なことをやっています(ニッコリ)。

――他はどんなところがポイントですか?

いろんなところに死角をつくっています。見えない部分は、何かがでてきそうな怖さがあります。実際に、そこから本当にでてくることもあります。廃院内には、死体役の人形がたくさんありますが、本当に人形かどうかも確かめてみてください。動きだすかもしれませんよ。

なるほど、確かに人形かと思ったらお化けが動いていたし、怖かった……。それにしてもあのホラーハラスメントが、お化け嫌いの発想から産まれていたとは驚きだった。

いや、あの爽やかなイケメンがこんなに恐ろしいお化け屋敷を作り出すなんて、それはそれで怖い気もする……。

最恐「絶凶・戦慄迷宮」の攻略法

最後に攻略法として、怖すぎるお化け屋敷「絶凶・戦慄迷宮」の怖さを和らげるためのポイントをまとめてみた。

1:大勢で行く

多ければ多いほど怖くない。ちなみに「絶凶・戦慄迷宮」は、1グループは6名まで。

2:前後を人で囲む(できれば左右も)

1番前と後ろは怖いけど、2番目3番目であればわりと怖くない。

3:歌を歌う

今回、あまりの怖さゆえか誰かがいきなり「♪よーでるよーでる 妖怪でるけん でられんけん」を歌いだしたので、すごく和んだ。

出てくるのが“ジバニャン”だったら怖くない……かもしれない。

さらに「絶凶・戦慄迷宮」のすぐ近くの『慈急診療所』に、サウンドホラー「血に飢えた病棟」がオープンした。

1994年から2010年まで16年間にわたって人気コンテンツだった「処刑の館」を再現したものだそう。もし、「絶凶・戦慄迷宮」に怖くて入れなかったら、ここで友だちを待つのもいいだろう。
しかし、こちらもかなりイヤ〜な怖さになっているそう。富士急社長曰く「とても気色の悪い体験が出来る」らしいので、覚悟して臨まれたし。

匂い、音、闇、いろんな恐怖が詰まった「絶凶・戦慄迷宮」。

絶叫しすぎて喉がカラカラだけど、また絶対にリベンジしたい!!

取材:橋村望