中国のポータルサイト新浪網は28日、台湾を巡って米中が軍事衝突した際のシミュレーション記事を掲載した。(イメージ写真提供:(C) Alexander Perepelitsyn  /123RF.COM)

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 中国のポータルサイト新浪網は28日、台湾を巡って米中が軍事衝突した際のシミュレーション記事を掲載した。制空権を確保するため、中国はまず沖縄の嘉手納基地をミサイル攻撃すると主張。米軍戦闘機は行動の制約が極めて大きくなり、人海戦術ならぬ「機海戦術」に直面するという。

 記事は「台湾海峡有事」が発生し、中国側は戦闘機としてロシア製「Su-27」、米軍側は「F-22」を投入すると想定した。

 そして台湾海峡から500海里の範囲内で、中国は27カ所の飛行場から作戦機を飛ばすことができが、米軍には中国大陸部から460海里離れた沖縄の嘉手納基地しかないと指摘。中国はさまざまなミサイルで攻撃をするので「嘉手納の米空軍基地が生き残ることは不能」と主張した。

 「空の戦い」は昔も今も、「空戦」に持ち込む以前に、相手側が航空機を発進させる前に飛行場を使用不能にするのが、最もよい戦い方とされている。かつてはまず、滑走路を狙った。しかし記事は、「現在の戦い」の場合、ミサイルは基地の主要施設を破壊すると指摘した。

 米軍は制空権を回復するためにアンダーセン空軍基地からF-22を出動させる。空中給油を繰り返しながら、グアムに着陸。F-22を含め地上基地から出撃する米軍機は空中給油を重ねながら台湾海峡に向かうことになる。

 記事は、嘉手納基地を失った場合、中国側は1日に延べ1300機を出撃させられるのに対し、米軍側は138機に減少するとの見方を紹介。

 米国で行われたシミュレーションでは、中国側はSu-27を72機、米軍はF-22を6機出動させ、さらに双方とも警戒機や無人機も飛ばすと想定されたという。戦闘機だけを見ても、中国側は機数に物を言わせる人海戦術ならぬ「機海戦術」だ。

 F-22はSu-27を次々に撃墜する。F-22の被害はゼロ。ところが戦闘が経過すると、中国側のミサイルが米軍側の給油機などに命中しはじめる。戦闘で圧倒的な強さを示したF-22もミサイルなどで攻撃手段を失う。

 F-22は戦闘空域を「無傷で離脱」することができるが、米軍側が改めて空中給油機を派遣できなければグアム島の基地にたどりつくことができなくなり、「海に落ちざるをえない」結果になる。

 同シミュレーションによると中国側のSu-27は24機が残ったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C) Alexander Perepelitsyn  /123RF.COM)