25日、都内の本社で記者会見にのぞむ日産自動車のゴーン社長(撮影:吉川忠行)

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日産自動車のカルロス・ゴーン社長は25日、東京都中央区の本社で行った決算発表の席上、同社の高級車ブランド「インフィニティ」を、2008年までに欧州で展開すると発表した。

 ゴーン社長は、“高級車激戦区”へのインフィニティ投入について「欧州の富裕層のお客様に今までになかった新しい提案ができると信じている」と強調した。欧州での1─3月販売が前年同期比17%減と低迷していることには「当社は利益志向の会社であり、販売台数志向ではない。しっかりとした自動車を提供したい」と懸念を一蹴した。

 インフィニティは北米で1989年にブランド展開を開始。現在までに中東、台湾、韓国で販売され、世界の高級車と競合するブランドに成長している。07年度を最終年度とする中期経営計画「日産バリューアップ」では、同ブランドの世界展開を掲げており、06年秋にはロシア、07年には中国、ウクライナでも展開する予定。

 また、ゴーン社長はロシアのサンクトペテルブルグに車両組立工場を新たに建設すると発表した。投資総額は226億6000万円で、09年に稼働開始。年間生産能力は2万5000台から5万台を計画し、当初は3車種程度の生産を予定している。同社は、ロシアを「将来最も成長できる市場」と位置付けており、インフィニティの投入と合わせて同国での販売の上積みをねらう。【了】