「国際交流基金賞」を受賞し、あいさつをする宮崎駿氏(撮影:徳永裕介)

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国際文化交流の促進に貢献した個人・団体をたたえる「国際交流基金賞」の授賞式が4日、都内のホテルで行われた。33回目となる今回はアニメーション映画監督の宮崎駿氏が受賞した。アニメーションを通じて日本文化を伝え、世界中の若者の心をとらえたことが評価された。宮崎氏は、これまでもベネチア国際映画祭栄誉金獅子賞(2005年)などを数多く受賞している。

 1973年に始まった「国際交流基金賞」は、国際文化交流に大きく貢献した個人・団体に対して、同基金が授賞している賞。これまでに日本文化研究者のドナルド・キーン氏(83年)、指揮者の小沢征爾氏(88年)、東南アジア史研究者の石澤良昭・上智大学教授(現学長・2003年)などが受賞した。

 宮崎氏は受賞あいさつで「日本語は擬態語、擬音語、擬声語などが多い不思議な言語。漫画にはたくさん使われているが、我々はそれを読んでいるのではなく、絵として見ている。『川がさらさら流れる』というが、“さらさら”とはいったいどういう音なのか」と述べ、会場の笑いを誘った。その上で、擬態語などを文字のまま画面に取り入れた映画を現在、製作していることを紹介。「川では『さらさら』という文字が、一緒に流れていく。子どもたちや、ひらがなやカタカナと無縁の外国人がどう理解するのか、大変興味がある」と話した。

 同日は、国際交流奨励賞の授賞式も行われ、文化交流交流賞はフィリピンのフィリピン教育演劇協会、日本語教育賞は中国日語研修会、日本研究賞は前大阪外国語大学ウルドゥー語外国人教師のタバッスム・カシミーリー氏が受賞した。【了】