日本球界に『暗黙のルール』は存在するのか?


 先日の巨人・阪神戦、7回2死満塁の場面で三振に倒れた巨人・清原選手は「(2−10で巨人の敗色濃厚な場面)、2死満塁でカウントツースリー。それで何でフォークやねん」と試合後、相手投手に対して不満を募らせた。清原選手にとっては500号本塁打にあと1本と迫った状況で迎えた満塁の場面、点差もついていたので、当然ここはストレート勝負だろう、という『暗黙のルール』を期待していたわけだ。

その後、球界ではこの清原発言をめぐって物議をかもすわけだが、果たして日本球界にはこのような『暗黙のルール』が本当に存在するのだろうか。

 「日本球界に『暗黙のルール』は確実に存在しています。例えば、『2桁もの点差が開いている場合、勝っているチームは盗塁やセーフティバントをしてはならない』、『4番バッターがデッドボールを受けた場合には、相手チームの4番バッターにもデッドボールを投げる』とか」(スポーツニッポン新聞社・野球担当者)というように、『暗黙のルール』は確かに存在するようだ。ルールを破った場合には報復としてその選手に対してデッドボールをお見舞いする球団もあるという。

 もともとこの日本球界での暗黙のルールは、メジャーリーグに10数例存在する「アンリトン・ルール」という暗黙のルールがその基準と言われていて、「弱者(負けているチーム)をさらにいじめるようなことはやめましょう、というフェアプレイ精神が根底にあるルール。あくまでも攻撃側のチームに制約が課せられるだけで、守備側にはそんなルールは存在しません」(同者)という。

 この意見を参考にすれば、清原選手の意見は「守備側」のチームに対する要求ということで、まったくの「八百長」要請発言となってしまうのだが・・・。ただ、ファンが見たいのはあくまでも選手の全力プレーや真剣勝負。決して八百長での名場面を期待しているわけではないことは確かな事実だ。(文/verb)