9日、テレビ朝日「報道ステーション」では、米LPGAツアー参戦から10年目の宮里藍に松岡修造氏が聞き手となって行われたインタビューの模様を放送した。

2010年、世界ランク1位に登り詰めるも、昨年は得意のパットが狂い極度の不振に陥った宮里。一時は世界ランク104位にまで下がったが、昨年末のある出来事が復調のきっかけになったという。番組で語られた主な内容は以下の通りだ。

●不振について
「パッティングは一番の武器だった。自分のゴルフの一番大事な部分。ゲームを支える上で欠かせない部分がおかしくなってしまった。自分はこんなはずじゃないって」

●パットは武器だったが
「こんなふうに急にゴルフって変わったりするんだっていうゴルフの怖さ。昨日まではなかったことが今日いきなり恐怖心でうまくいかないっていう、そういう怖さを経験した感じ」

●不振のきっかけ
「パターを替えたことがきっかけだったんですけど、2013年の終わりくらいに。気分転換で替えたつもりだったんですけど、替えた時のフィーリングが最初は良かったんですけど、使い続けていくうちにあまり良くなくなってきて、ずっと使っていくうちに自分のフィーリングが分からなくなっていって“これ、違うな”って思った時は遅かった」

●自分のパッティングを取り戻すために様々な練習を行ったが
「ちょっと良くなったかなと思えば、“これだけ練習したんだから”という、その気持ちが邪魔したり。あれだけ反復練習したのにまだこのストロークが出るかって自分を責めたり」

●復調のきっかけ
「(キャディのミック・シーボーンから)“もうこれ以上は悪くならないからさ”って言われた。私はそれがすごく気に入らなくて“いや、良くなってるし”みたいな。自分のキャディですけど、パンチしてやろうかってくらい腹が立ったんですけど。一番近くで私が努力しているのを見ているのによく言えるなって思って。すごい腹が立って。

でも、それを笑って受け流せなかった自分と“良くなってるし”って彼に言った自分に違和感を感じた。ホテルでお風呂に入りながら、なんであれが素直に受け入れられなかったんだろうって。“あ、見栄張ってたのかな”って。自分自身は良くなってるっていう自分のエゴだと思うんですけど、自分を良く見せようとしていた。一番のチームなのに、キャディにさえも自分の弱いところを見せられてなかったって思ったんです。“ああー”って。“自分の中でずっと邪魔していたのはコイツだったんだ”みたいな。ちょっとトゲが取れたみたいな感じ」

●そのパターは?
「二度と使わないんですけど、言い換えれば、そのパターのおかげで新しい自分を知れた。苦しいですけど違った経験ができたので、いまはこんちくしょうって思いながら“ありがとね”みたいな。パターは敵じゃないっていう、ミスしても怖くないって思えているので必然的に自信が戻れば勝てると思います」