中国メディアの「39健康網」は8日、中国浙江省浦江県で先月末、子どもの公立高校入試において親の献血量に応じて点数を加点する政策が発表されたことで物議をかもした問題について、たった3点加えるために10年分の献血量が必要だったと伝えた。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの「39健康網」は8日、中国浙江省浦江県で先月末、子どもの公立高校入試において親の献血量に応じて点数を加点する政策が発表されたことで物議をかもした問題について、たった3点加えるために10年分の献血量が必要だったと伝えた。

 記事は、この政策では4000ミリリットルの献血で1点、6000ミリリットルで2点、8000ミリリットルで3点が加えられることになっていたと紹介。ネット上には「以前は親の権力が必要だったが、今必要なのは血液か」などといった揶揄が出たとした。

 そのうえで、中国国内では1回に400ミリリットル以下の献血しかできず、6カ月以上の間隔を空ける必要があると解説。たった3点にしかならない8000ミリリットルの献血量に達するには、10年かかることを紹介。また、10年間で8000ミリリットルというのは「成人であれば安全」であるとした。

 高校受験者が国内のルールに基づいてこの量に達するには、子どもが5歳の時から定期的に献血を行う必要がある。

 記事は、現在中国国内で血液が不足している状況であると説明する一方で「献血は公益性のある自発的行為であり、法律上は強制できないことになっている」と指摘。高校入試献血を結び付けた同県の政策に疑問を呈した。

 また、公平を期するために各地で受験における「加点制度」が廃止になっている風潮に逆行する政策であるとも指摘。「血と点数を交換することで子どもに教育上の特権を与えるというのは、悪い手本にしかならない」と断じた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)