中国メディアの環球網は9日、世界保健機関(WHO)が7日に発表した報告として、インドの首都・ニューデリーの大気が世界でもっとも汚染されていると伝えた。WHOの報告に対し、インドからは強い反発の声があがっているという。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国メディアの環球網は9日、世界保健機関(WHO)が7日に発表した報告として、インドの首都・ニューデリーの大気が世界でもっとも汚染されていると伝えた。WHOの報告に対し、インドからは強い反発の声があがっているという。

 WHOが世界1600都市を対象に行った大気環境に関する調査によると、ニューデリーのPM2.5濃度は1立方メートル当たり153マイクログラムに達し、北京の3倍、ロンドンの10倍の数値となった。同数値は2010年から13年にかけてニューデリー市内にある5カ所の観測ポイントから得た数値をもとに算出された。

 WHOは同調査を、汚染度に関する都市のランク付けが目的ではないと説明しているものの、インドからは反発の声があがっている。インドの専門家は8日、「ニューデリー市内にある10カ所の観測ポイントから得たデータによれば、11年から14年にかけてのPM2.5の平均濃度は北京市の数値とほとんど変わらない」と主張、同調査の結果に疑問を呈した。

 記事ではさらに、2014年1月に米エール大学とコロンビア大学が発表した「2014年環境パフォーマンス指数」を紹介。「(ニューデリーの)大気汚染の程度は北京の2倍」、「ニューデリーは世界でもっとも大気汚染が深刻な都市とされている」などと伝え、WHOの調査結果は「正当」であるとの見解を示した。

 また「2014年環境パフォーマンス指数」が発表された当時、インド国内では強い反発の声があがったことを伝えたうえで、一部メディアの報道で、「ニューデリーの大気の質が北京より悪いかどうかにかかわらず、大気汚染対策の取り組みが北京より遅れていることは明らかだ」と伝えられていたことも報じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)