昨年の大晦日に念願だった「紅白歌合戦」の初出場を果たし、紅組2番手として『カモネギックス』で登場したNMB48。

NMB48にとって夢を現実にした瞬間である。その夢のステージを終えて、翌日には大阪NMB48劇場で、2014年初となる劇場公演が行われた。客席はお祝いムード満載。メンバーのみならず、ファンにとっても紅白歌合戦初出場は夢だったこともあり、客席はすでにメンバー出演前からテンションマックスの状態だ。

記念すべき2014年一発目の公演1曲目は『カモネギックス』。イントロが流れるとステージにメンバーが次々と登場し、前日のステージがフラッシュバックする。みな、気合の入った表情でNMB48の2014年が始まった。NMB48にとってはただの元日公演ではない。この日は1期生が劇場デビューした日であり、1期生はその想いは抱きながらステージに立っているのだ。

『カモネギックス』が終わると、まずキャプテンの山本彩が「あけましておめでとうございます」と新年の挨拶。そして渡辺美優紀が紅白歌合戦の感想として「今までの公演やコンサートより数倍緊張しましたけど、すべてが一瞬に感じました」と話し、矢倉風子は「『カモネギックス』の歌詞じゃないですけど、あっという間の出来事でしたけど、メチャ感動しました」と語った。かつてNMB48と兼任メンバーとして活躍していたAKB48の横山由依は、紅白歌合戦でのステージを見た時に「カッコ良かったよ」とメンバーに話し、自分のことのように喜んでくれたことを山田菜々がファンに報告した。

MCが終わると研究生が登場し『青春ガールズ』、研究生としては初のオリジナル曲『サングラスと打ち明け話し』を披露。AKB48グループの研究生で結成された派生ユニット・てんとうむChu!にも抜擢された渋谷凪咲の圧倒的な存在感がある。続いてはチームB?が登場し『アーモンドクロワッサン計画』『純情U−19』『BINGO!』と3曲を披露した。ここではじゃんけん選抜に選ばれた上枝恵美加がキャプテンらしく全体をまとめ上げ、良い意味で緩く楽しい空気を作り、チームB?ならではのホノボノとした空間を作っていった。じゃんけん選抜に参加し、多くのメディアに露出したことで、今までのちょっと頼りない上枝でなくなり、メンバーが安心してパフォーマンスができる存在になったのではないかと思う。チームB?が終わるとチームM、そしてチームNと続き、最後は現在公演中の「ここにだって天使はいる」公演の中から『情熱ハイウェイ』を歌い上げ、正月特別公演の幕が閉じた。

(2014年AKBを大変革させるNMBメンバー)

暗転すると客席からアンコールの声が掛かり、アンコールにすぐさま応え、まずは『僕らのユリイカ』、最後はAKB48の34thシングル『鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの』のカップリング曲であり、渋谷凪咲がセンターに抜擢された『君と出会って僕は変わった』で2014年最初の公演が終了した。最後の最後で2トップと言われている山本彩と渡辺美優紀を両サイドに慕えてセンターとして登場した渋谷は、2人に引けをとらないくらい堂々とし、すでにセンターの風格を感じられるほどだった。2014年の最初の公演は渋谷凪咲で締めくくったことに今年のNMB48の意気込みを見た気がした。

あっという間に終わってしまった1時間半の公演だが、前日に「紅白歌合戦」に出場したことで自信が付いたのか、すべてのメンバーは今まで以上に堂々としていて。達成感というより充実感があるように見えた。紅白が彼女たちのゴールなのではなく、スタートラインなのだ、そう思わせてくれる頼もしい公演だった。 (C)NMB48