麻雀で就活!

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小さい頃、勉強中によく考えませんでしたか? 「こんな足し算とか引き算を勉強して、将来何の役に立つんだろう」と。実際、あまり役立っていないし。そして大人になると、こういう意見をよく耳にします。「学校の成績と社会に出てからの頭の良さは違う」。う〜ん、何となくわかる気がする。

じゃあ、何を基準に人材を見つければ良いのか。どんな採用試験ならばいい? そこで注目したい、この試み。「株式会社カケハシ スカイソリューションズ」が運営するサイト「ミートボウル」が、大胆な就活イベントを手掛けているんです。

さて、そのイベントの内容とは? 驚かないでください。「麻雀」、「頭脳ゲーム」、「わらしべ長者」……。これらを判断材料に、企業が人材を見出していた!

では、その詳細について。
麻雀……麻雀大会の成績上位者8名に、参画企業の選考を面接から始められる「選考優待券」を贈呈(等の特典を用意)
・頭脳ゲーム……ゲームにクリアした者に参画企業との面接権を与える(等の特典を用意)
・わらしべ長者……スタート時に与えられた物を、制限時間内にどれだけ高値のものと物々交換し続けられるか。成績優秀者には、企業との「面接から選考に入れる券」を贈呈(等の特典を用意)

「そもそも学生の指定する希望条件は、全てイメージです。なんとなくメーカー、なんとなく大企業、なんとなく企画系の職種……。この一般的な企業の探し方では、本当に自分の能力を求めてくれる企業や、学生の知らない職種を探すことは難しい。弊社はこの『偶然性を排除する』探し方が、大きな機会損失を生んでしまうことを懸念しておりました」(「ミートボウル」担当者)

そこで、同社は“企業と学生の新しい出会い方”を模索。結果、「麻雀」、「頭脳ゲーム」、「わらしべ長者」といったイベントに行き着いた。
「オンラインでの書類提出形式だけでなく、イベントというリアルの場を作ったのは、学生が自信を持っている部分(麻雀の腕、頭脳、アイデア力、交渉力など)を楽しみながら試せる機会を作りたいと考えたためです」(担当者)

ゲーム性のある企画に参加すると、自ずと企業との出会いの機会にもなる。というわけです。でもこれらの企画で、本当に学生の力量って測れるのですかね? ……測れるみたいです。それぞれのゲームで、真面目に能力を測定していますから!
麻雀……論理的思考力、数学に強い(確率統計などの)思考、負けず嫌い、一つのことを極める姿勢
・頭脳ゲーム……論理的思考力、頭の回転の速さ、集中力、洞察力、自分への自信
・わらしべ長者……対人(特に初対面での)コミュニケーション力、交渉力、チームワーク(それぞれの役割)
「学生なので“能力”というよりも“潜在能力”“資質”に近いと思います」(担当者)

このように企業側も、積極的に同イベントを活用。ロジカルな人材を求める企業には「頭脳ゲーム」や「麻雀」が、新規営業に向く人材を求める場合は「わらしべ長者」が人気だそうです。

「一般的なナビ媒体からの応募等では、なかなか応募してこない層の学生。そんな人材との出会いを期待し、ご参画いただく企業様が多いです」(担当者)

雇う側から見ると、他の募集方法では出会えない学生と出会うことができる。学生側から見ると、自身の企業探しではエントリーすることのなかった業界や業種の企業と巡り会え、またその中には自分の資質を評価してくれる企業があるかもしれない。

そして、実際に成果は表れている模様。「各イベントで内定者が誕生しており、特に多いのは“麻雀採用”です。弊社にも今年入社した新人に2名麻雀採用からの採用者がおりますし、他に入社・内定に至ったケースは数社ございます」(担当者)

保守的思考の学生による応募が多い企業が、“攻めのタイプ”の採用を目指し、実際にパワフルな学生に内定を出す。……そんな実例は、いくらでもあるという。
「ありがたいことに『“他では出会えない人材”と出会える』という評価を多くいただけています。たとえ採用に至らなくても『こんなタイプは今まで応募してこなかった』と感じていただいているようです」(担当者)

よく考えると、この入口は採用後も嬉しいですよね。入社後、上司から「確か、麻雀採用だったよね」と声を掛けられ、妙に会話が弾んだりして……。目をかけられてる!

ちなみに、イベント内容は多種多様。「麻雀」や「わらしべ長者」以外で、今までに以下のイベントが開催されているようです。
・「スポーツ百人一首採用」……体育会系学生向けのオリジナルゲームイベント
・「大人のケイドロ採用」……公園でチーム戦のケイドロを行った
・「WEBデザイン検定採用」……JWSDAに協力を仰ぎ、講義+検定受検までをサポート
・「私プレゼン採用」……自分の一番の“売り”をプレゼンテーションするイベント
どうですか、あまりにも斬新でしょ?

そんなこの「ミートボウル」を活用する企業は、実は数多い。例を挙げると「エースコック株式会社」、「株式会社NTTフロンティア」、「JINS」、「株式会社タカラトミー」、「株式会社アミューズ」と、意外にも錚々たるラインナップが!

「数百社の企業様にご参画いただいております。ほぼ全業種・業界の企業様にご参画いただいており、ご参画いただいていない業種は、銀行などの金融機関くらいではないでしょうか」(担当者)
企業規模も、大企業からベンチャー企業まで様々。例えば中小企業は、多くの学生による応募を目的に。一方の有名大手企業や人気業種は、“通常では自社に応募してこない層”との出会いを期待しているとのこと。

ちなみに応募者がイベント参加を申請する際に、所属の学校で選別されることはないそうです。まさに、実力勝負!

“新聞奨学生”や“武道の有段者”、もしくは“ストリートスナップ常連者”、はたまた“就活において最終面接で不合格となった経験のある人”といったタイプ限定での就活企画も、今後は控えているらしき「ミートボウル」。もしかしたら君が積んできたその経験、どこかに欲している企業があるかもしれませんよ!?
(寺西ジャジューカ)