芸能禁止の暗い世界で危険をかえりみず、銀河の星々をステージに歌い、戦い、熱狂的なゲリラライブを送り届ける非合法アイドルの少女たちの姿を描き、アイドルファンだけでなく、アニメファンからも高い人気を得ているTVアニメ「AKB0048」。2013年1月より“next stage”が放送中の本作のスペシャルイベント『AKB0048 NO NAME FIRST KILALIVE』が、2月17日(日)に幕張メッセで開催された。

出演は「AKB0048」の声優選抜メンバーがキャストをつとめる研究生メンバー9名によるユニット「NO NAME」として、渡辺麻友さん(園智恵理役)、仲谷明香さん(藍田織音役)、佐藤亜美菜さん(一条友歌役)、石田晴香さん(東雲彼方役)、矢神久美さん(東雲楚方役)、佐藤すみれさん(岸田美森役)、秦佐和子さん(神崎鈴子役)、三田麻央さん(横溝真琴役)、岩田華怜さん(本宮凪沙役)。そして、今回のライブ進行をサポートする先輩声優陣から神田朱未さん(9代目大島優子役)、白石涼子さん(5代目高橋みなみ役)、小島幸子さん(南野美果子役)、かかずゆみさん(ツバサ役)が登壇した。

『AKB0048 NO NAME FIRST KILALIVE』囲み取材に模様はこちら




まずは、岩田さんと渡辺さんの影ナレーションからスタート。凪沙と智恵理としてアドリブを交えながら諸注意を読み上げ会場を湧かせた。AKB0048仕様のovertureの後、流れてきたオープニングナンバーはfirst stageのオープニング曲『希望について』。研究生の衣装を身にまとったメンバーが登場すると、会場のテンションは一気に上がる。



曲が終わると、それぞれ役のまま自己紹介やトークを繰り広げる。自己紹介には最新話のネタバレも含まれており、美森の自己紹介では会場から襲名おめでとうコールも飛び出した。自己紹介が終わると、藍花星(ランカスター)出身の織音、友歌、凪沙以外のメンバーは舞台袖にはけ、しばらく3人でトークが繰り広げられた。

幕張メッセは、AKBグループの握手会でよく使われるおなじみの場所ということもあり、織音が「初めて来た気がしないよね」と話すと、友歌も「むしろ何ども何ども来た気がする」と返し、会場から笑いを誘った。



ここでMCをバトンタッチして6人が再登場。会場への「夢はありますか?」という問いに、「研究生メンバーを選抜に上げること!」という答えが返って来たことにメンバーは感激。美森の「夢は何ども生まれ変わりますわよね?」という問いかけから、そのまま『夢は何度も生まれ変わる』をしっとりと披露し、会場は静かなサイリウムの海に包まれた。

ここでメンバーは改めて、役としてではなくNO NAMEとして自己紹介。今着ている衣装について「久しぶりに着たので懐かしい」「相変わらず可愛い衣装です」と感想が口々に飛び出した。




トークパートに突入すると、MCの助っ人として神田さん、白石さん、小島さん、かかずさんが加わる。かかずさんが作中に登場する謎の生命体「キララ」の声を披露すると、会場からは拍手が起こった。



アンケートコーナーでは、事前に募集していたアンケートを名前のない箱こと「NO NAME箱」より選ばれたメンバーが答えるという形式。この箱の中には自分の名前以外に役柄の名前も入っており、役柄が選ばれた場合は役になりきって答えるというもの。

「NO NAMEの中で流行っているものはありますか?」という質問には、小島さんが「キララの物真似」と答える。するとNO NAMEのメンバーが一斉にキララの物真似を始め、会場からは軽いどよめきが起こった。また、石田さんが彼方になりきって美森を彼女に指名したり、矢神さんが甘い告白を披露して会場を大いに盛り上げたりと、質問コーナーは大盛況の内に終了した。




ここで本作の河森正治総監督がビデオ出演し、VTRの中で生アフレコとシャッフルアフレコが次のお題として出された。

まずは、本来の役柄のメンバーが生アフレコを行い、くじ引きによって選ばれたメンバーがシャッフルアフレコに挑戦。NO NAMEメンバーは普段の役柄とは別の役に悪戦苦闘しつつも、きっちりと与えられた役をこなす。その中でも「落ち込んでいる彼方を美森が『初日』を歌って励ますというシーン」では、美森を演じる渡辺さんが、アカペラで『初日』を披露し、会場は大きな歓声に包まれた。

最後のシャッフル担当を決めでは、今まで指名をされていない秦さんと岩田さん2人が、観客が三回オーという声を挙げて行うAKB方式で、じゃんけん。「2年連続予選敗退なんですが……」と弱気なコメントをしていた秦さんが勝利をおさめ、いつもより少し少女チックな9代目大島優子を演じた。



会場の歓声を収録した後、NO NAMEメンバーは衣装チェンジのため一旦履け、舞台には神田さん、白石さん、小島さん、かかずさんが残る。4人は、石田さんが破れたストッキングを破いて網タイツ風にして掃いたり、アフレコ中のNO NAMEメンバーの後ろ姿を凝視する堀江由衣さんのエピソードを披露。他にも小島さんが、ダンスの先生・牛山役を演じる小野大輔さんに対し、事務所の先輩らしい振る舞いをしたことで、NO NAMEメンバーから株が上がった話をして、会場は大いに盛り上がった。





衣装チェンジも終わり、ここから再びライブパートに突入。AKB48の大ヒット曲である『大声ダイヤモンド』と『少女たちよ』をNO NAMEバージョンで披露した。続いて初披露となる『虹の列車』を歌い上げ、盛り上がりは最高潮に達した。

4月10日(水)に発売となるシングル『この涙を君に捧ぐ』の特典紹介では、生写真、ARカードの他に、ファンへの生電話をする目玉企画が発表され、会場からはどよめきが起こった。



そして、next stage エンディング曲 『この涙を君に捧ぐ』から、一言づつ挨拶へ。感想を述べている最中に、泣き出したメンバーを、他メンバーがなぐさめる場面も見受けられた。最後にnext stage オープニング曲 『主なきその声』が歌われ、大歓声の中イベントは締めくくられた。

(取材・撮影・文:細木宗一郎)


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