Jリーグが佳境を迎えている。今日23日にはJ1昇格をかけたプレーオフの決勝が行われ、土曜日は優勝争い、残留争いともに重要な一節が控えている。

 優勝争いは広島がリードしているのは間違いないけど、最後の最後までもつれるんじゃないかな。次の試合ではかかるプレッシャーも相当なものだろうし、いつものとおりにプレーできるかどうか。広島は1994年のステージ優勝を除いて、リーグを制したことがないからね。まさに手に汗握る試合になるだろう。

 残留争いでは、G大阪が危ない。シーズン前は、これほど苦戦するとは予想できなかった。シーズン当初のチーム作りのゴタゴタが尾を引いてしまったね。監督が代われば、いろんなものが変わる。必要だと思って獲得した外国籍選手が無用にもなる。西野監督体制からの変換期として、来るべくして来た危機という言い方もできる。
 
 G大阪の凋落は、リーグ全体でレベルが拮抗している象徴とも言える。どこもかしこも、スーパーな選手を獲得できるわけでもなく、フロントは揺れていて、どこが勝っても負けてもおかしくない。良く言えば群雄割拠、悪く言えばお団子状態だね。この状況をどう捉えるか。僕は良い状態ではないと思うね。もっと活況を呈するために、リーグ、クラブ、それぞれがやらなければならないことは多い。

 その一環ではないが、Jリーグが今季の施策の一つとして打ち出したのが、昇格プレーオフだ。決勝戦でどこが勝利を手にするか、この原稿を書いている時点ではわからないが、いずれにしろシーズン5位と6位の決勝戦となった。
 
 一発勝負のトーナメントでは、こういうこともあるだろう。それは当然予想の範囲内だけど、僕はプレーオフ制よりも、4チームの自動昇格・降格の方がいいと思っている。プレーオフ準決勝で負けた2チームが早々と監督の来季続投を決めたが、プレーオフに出たからといって、決して満足できる結果ではないはずだ。なぜなら、上がれなかったのだから。6位までに入ってプレーオフにかける、というチーム作りと、4位までに入って自動昇格を勝ち取る、というチーム作りでは、かかるエネルギーも変わるだろう。つまり4チームの自動昇格・降格の方が、J2のレベルを上げることにつながると思う。
 
 リーグの思惑としては、普段客の少ないJ2において、目玉となる3試合を投じるという、興行的要素が強いのは間違いない。大東チェアマンはプレーオフ準決勝が終わった後に、「お客さんが入ってよかった」というコメントを残した。まさにそれが目的だった、という感じだね。そんなのは改革でもなんでもないよ。再考の余地はあるんじゃないかな。