米環境保護局(EPA)が2日、韓国の現代自動車と傘下の起亜自動車が米国で販売した一部車種の燃費表示が水増しされていたと発表したことを受け、米国やカナダでは集団訴訟が相次ぐなど騒動は広がりをみせている。(イメージ写真:Photo by Thinkstock/Getty Images.)※写真の無断ダウンロードと転用を禁じます。

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 米環境保護局(EPA)が2日、韓国の現代自動車と傘下の起亜自動車が米国で販売した一部車種の燃費性能を、誇大表示していたと発表したことを受け、米国やカナダでは集団訴訟が相次いでいる。

 韓国メディアはカナダ現地紙の報道を引用し、集団訴訟が拡大していると伝えた。現代自グループは最大の輸出市場である北米で「信頼の危機」に直面していると指摘し、長年築き上げた“現代ブランド”の価値に傷が付くのではないかと憂慮(ゆうりょ)を示した。

 カナダでは現代自の燃費水増しの被害にあったと主張する消費者らが、オンタリオ、ケベック、ブリティッシュコロンビアの各州で集団訴訟を起こした。これに先駆け、米国では4日、オハイオ州で両社を相手取った集団訴訟が起こされた。

 現代自側は、表示の水増しは「故意ではない」と説明し、顧客へ補償も明らかにしている。韓国では、現代自の迅速な対応から事態は沈静化に向かっているとの見方があるが、集団訴訟が相次げば今後どのような方向に進むか分からないため、予断は許さないとの分析もある。

 韓国メディアは、カナダの日刊紙グローブ・アンド・メールが7日に掲載した「現代・起亜の信頼性危機(The Hyundai−kia credibility crisis)」と題した記事を紹介。記事は、「現代と起亜はブランドの名声を高めるために長い月日をかけたが、イメージ低下は1日で起きた」と論じ、「今回の事態が顧客への忠誠度に影響を与える可能性がある」と伝えたという。(編集担当:新川悠)(イメージ写真:Photo by Thinkstock/Getty Images.)