国民的ロールプレイングゲーム『ドラゴンクエストX(10)』が発売されて1カ月が過ぎた。この最新作の一番の特徴は、何といってもドラクエ初のオンラインゲーム化。利用するには月1000円の課金が必要で、古くからのドラクエファンからは「とうとう拝金主義に落ちたか?」と、批判が上がっていた。
 「数多くあるオンラインゲームの中では、極めて良心的な設定だとはいえます。しかし、ドラクエは小中学生など若年層のファンも多い。毎月1000円という金額は子供たちにとって、お小遣いで賄うには少々厳しいでしょうね」(ゲーム雑誌ライター)

 苦情の声はそれだけではない。オンラインゲームに触れたことのない初心者にとって、他のユーザーと共同で戦うなど独特のシステムに順応するには、やはりハードルが高かったようだ。
 26年間に渡り、シリーズ全作をクリアしたという熱狂的ドラクエファンとして有名な女優の淡路恵子さん(79)も「私ね、あれはすごく怒ってるの。あれは一人で楽しんでやるものなの。それを何で見ず知らずの他人とやらなきゃいけないわけ? 今やたらと、つながるつながるって言葉が流行じゃない。つながらなくていいの! ゲームなんて自分でやればいいのよ!」と、かなり“おかんむり”。

 一方、発売元のスクウェア・エニックス側にも、オンライン化の準備不足のためか問題が続出。発売当日からサーバーがダウン、ネットワーク障害も連発し、ほぼ毎日のようにメンテナンスが入るなど、安定運営には程遠い状態が続いた。
 さらに先日は、一時的に株価が下落する騒ぎも起こった。ゲーム内で使用する仮想通貨が、オークションサイト等での換金行為に結び付き、結果的に賭博罪や賭博開帳罪にあたるのではないかと指摘されたのだ。つい最近も同じように、グリーやDeNAのコンプガチャ問題(携帯の課金ゲームで得たアイテムを高額で売買する)があったばかりである。

 老若男女問わず人気を得ていたゲームが批難の的とは、皮肉なものである。