今日の松坂大輔も苦い登板に終わったが、その後に登板した田澤純一はまた素晴らしい投球。7試合連続無失点。最高速96m/h(154km/h)はダルビッシュと並び日本人最速。昔からこんなに速かったかが気になって調べて見た。

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田澤純一は横浜商大高から新日本石油を経て、NPBを経ずにMLB入り。ボストン・レッドソックスとメジャー契約をして入団した。

入団1年目の8/7にMLBに昇格、ニューヨーク・ヤンキース=NYY戦で132km/hのチェンジアップをアレックス・ロドリゲスにサヨナラ本塁打された。ある意味で強烈なデビューを果たしたのだ。
以後、先発に回るも結果が出なかった。この年の田澤の速球は最高速で150km/hだった。

そして翌年4月、疲れが出ると右ひじに痛むが出るのをチームドクターに相談したところ、トミー・ジョン手術を勧められ、決断した。

2011年9月にMLBに昇格、3試合に投げたが、手術前と同じ150km/hを記録した。

2012年は1年契約でBOSに残り開幕ロースターに入る。バレンタイン新監督はロングリリーフを田澤の持ち場とした。

4/21のNYY戦、8回、ジーターに投じた5球目は田澤最速の151km/h、ただし次の球をジーターに本塁打されている。

4月末でいったん降格するも、オールスター明けに再浮上、

7/17のシカゴ・ホワイトソックス=CWS戦の5回、アレックス・リオスへの初球で153km/hをマーク。

7/22のトロント・ブルージェイズ戦、6回、コルビー・ラスムスへの6球目に154km/hを記録。

そして8/19のNYY戦、8回、イチローに投じた初球はついに156km/hを記録した。ダルビッシュも投げていない球速だ。この球は外角に大きく外れたが、イチローに対する田澤の闘志が見て取れる球だった。

以後も154km/hをMAXとする速球を主体に快刀乱麻の投球を続けている。

MLBにはMAX100m/h(161km/h)を投げる投手はたくさんいるが、実戦で使える速球として95m/h(154km/h)を常時投げる投手は、実はそれほど多くはない。

手術後、田澤は確実に4km/hは速くなっている。単純に手術に拠るとは言い切れないが、「トミー・ジョン手術で球速は上がる」の実例にはなるだろう。

昨日のNYY戦では初顔合わせで痛い目に遭ったA-RODを153-154-153-154(km/h)の快速球を続け三振に打ち取っている。

マウンドさばきも堂々としてきた。来季のMLB日本人投手の主役の座は、同い年のダルビッシュとともに田澤が担うのではないか。