お飾りなら、武田の出番です!

迷走をつづけていた浦和レッズの来季監督がミハイロ・ペトロビッチ氏に決定した直後、またも新たな監督問題が勃発いたしました。問題となったのは、来季からG大阪の監督に就任する予定だった呂比須ワグナー氏。何と呂比須氏に対して、JFAの認定するS級ライセンスおよび、それに相応する資格を持たないとして、日本サッカー協会が監督職に就くことを認めない意向であることが判明したのです。

Jリーグで監督をつとめるには、最上位の指導者資格であるJFA公認S級コーチ資格が必要。呂比須氏はS級ライセンスを所持していませんが、ブラジルでの指導者ライセンスを持ち、パウリスタFCなどで2年ほどの監督経験があります。この資格は柏レイソルをJ1優勝に導いたネルシーニョ監督と同じもの。しかし、呂比須氏の場合は、ブラジルでの1部リーグにあたる全国選手権出場チームでの始動経験がなく、JFAでは「呂比須氏はS級ではなくA級相当」としてJリーグの監督就任を認めない方向なのだとか。

かつてストイコビッチ氏が名古屋の監督に就任する際も、当時ストイコビッチ氏が所持していたライセンスが欧州でのS級にあたる「UEFAプロライセンス」相当でなかったことから、一悶着ありました。ピクシーのときに曲げなかったルールを呂比須で曲げるとは考えがたいところでもあり、ましてや呂比須氏は日本人なのですから、一旦示した「S級がないとダメ」の姿勢を協会が覆すことはなさそうです。

まっとうな道を行くなら、公認S級コーチ養成講習会に参加して資格を取るしかありません。ただし、2011年の講習会はすでに終了しており、2012年度の参加申し込みも締切済み。まともに受講するなら2013年度ということになり、呂比須氏が監督として指揮を執れるのは2014年シーズンからということになります。特例で来年受講程度の温情はあったとしても、講習会を受講している間に成績不振で追い返されそうな、気の遠くなる話です。

もちろん抜け道もあります。ひとつは一旦ブラジルに帰って全国選手権参加チームの指導者に潜り込むことですが、これはさすがに難しいでしょう。「Jリーグで監督やりたいからちょっとソッチで監督やらせてよ」なんて通るはずがありません。もうひとつは、かつてヴェルディ川崎(当時)で李国秀氏を迎えたときのように、「総監督」として指導にあたる道。名目上の監督は別に立てて、実質的な指揮を総監督が執るという現代の院政です。これならS級ライセンスがあろうがなかろうが無問題。その場合は、S級ライセンスを持つ松波正信コーチなどが名目上の監督になることになりそうです。

しかし、そんなお飾りに松波氏のようなガンバのレジェンドをあててよいものでしょうか。

松波氏といえばJ初年度からG大阪の主力として活躍し、引退までガンバ一筋、公式戦300試合以上に出場した「ミスター・ガンバ」。将来的には正式な監督として迎える構想が当然あるはずです。それをこんなお飾り監督でデビューさせてしまうなんて、チームにとってもマイナスでしょう。鏡餅のてっぺんに置くミカンはお飾りです。しかし、あの色・ツヤ・香りはお飾りとして堂々の風格を備えています。もしあそこに鎮座するのがメロンであったなら、何かバランスが悪いでしょう。それはメロンにとっても不幸な話。お飾りにはお飾りのプロが必要なのです。

ならば今こそ、武田修宏。理論不明、知識不明、指導力不明、人格不逞。しかし、誰もが認める華のある男。これ以上なくおめでたい、お飾りにうってつけの男です。たとえば松波氏が監督に就任した場合、チーム内には必ず松波派が生まれ、呂比須派と対立することでしょう。その点、武田派が生まれる見込みはゼロ。万一、武田の意見が呂比須氏と食い違っていたとしても、メディアやサポーターも不協和音とはとらえません。「あぁまた武田が何か言ってるな」「独り言でしょ」「記事にする価値ゼロ…」とスルーするはず。もしかしたら呂比須氏の指示どおりに戦っても、反省会では「武田のせいで負けた」と戦犯扱いされるかもしれないレベル。これぞTHEお飾りのあるべき姿。

瞼を閉じれば浮かび上がる風景。青と黒に染まったスタンドからは「余計なことするなよ」「大人しく座ってろ」「テクニカルエリアに居場所はないぞ」と新人監督を気遣う温かい声援が送られ、投げキッスで応える武田。スーツだけはいっちょ前にエエやつを仕立て、ベンチで腕組みする姿も堂に入ったもの。試合後は武田の前を報道陣が無言で通り過ぎ、仕方ないのでガンバボーイと一緒に喜びを分かち合う武田。無駄に公式サイトでブログを書き始めたり、日テレのスポーツニュースでの独占インタビューに登場したりと、露出だけなら総監督以上の存在感を発揮。「相手より得点すれば勝てる!」「そのためにはまずシュートを撃つこと」「あとは気持ちです」など相手チームを煙に巻く武田理論は大評判に…。これなら呂比須総監督も大層やりやすいに違いありません。「コイツはお飾り」と割り切って無視することができるでしょうから。

ということで、これまで真っ直ぐ走っていたクルマが突如フラフラしてガードレールに激突したかのような、ガンバ大阪の監督人事についてチェックしていきましょう。



◆武田はS級ライセンス持ってるぞ!S級ライセンス持ってるぞ!持ってるぞ!

それにしても監督とは何なのでしょうか。確かにJリーグの規則では、チームには監督がいないとダメとされています。しかし、監督だけができる行為というのは明確ではありません。試合前のミーティングに出席するくらいで、選手交代ですら「監督が主審に申し入れなければいけない」とは明記されていません。

かつて野球日本代表がアテネ五輪に出場した際、監督をつとめた長嶋茂雄氏が脳梗塞で倒れるという事件がありました。その際は、コーチをつとめていた中畑清氏が「私はあくまでもコーチ、監督は長嶋氏」と言い張りながら、「3」の数字が書かれた布を監督として奉りつつ指揮を執ったもの。しかし、このときは長嶋氏を監督として登録することはできず、「監督」がいないと選手交代や抗議などができないというルール上の制約もあり、中畑氏は登録上は正式な「監督」だったのです。これではハンチクお飾りもいいところ。

↓これではお飾りとは言えない!むしろ旗のほうがお飾り!


選手交代を決めるお飾りなどありえない!

いなくてもいいくらいの存在、それがお飾り!






当時の長嶋JAPANに比べれば、現在のガンバの状況は極めて楽観的。困っているのは「誰をお飾りにするか」であり、急ぐ必要も困る必要もないのです。まぁ呂比須氏にいちいち総監督とつけるのは面倒臭いですが、過去に同様の例もあることですし、ノンビリとお飾りを探そうではありませんか。

↓JFA小倉会長はド正論で呂比須氏の監督就任を認めず!
日本協会の小倉純二会長(73)が15日、G大阪の来季監督に内定している呂比須ワグナー氏(42)の誕生に、否定的な見解を示した。Jリーグの監督就任には、協会公認のS級ライセンスか同等の資格が必要。だが同氏が、ブラジル下部リーグのパウリスタでの監督経験しかないことが問題になっている。同氏が日本国籍を所持していることから、小倉会長は「状況を考えると(監督就任は)NO。過去のケースでNOなだけに、今回だけ特別は難しい」と特例を容認しない意向だ。

http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp1-20111216-877169.html

おぉ!これは武田の出番だな!お飾りなら任せとけ!

今こそ武田のS級ペーパーライセンスが火を吹くぜ!






かのネルシーニョ監督ですら、来日当初は松木安太郎氏のもとで指導者キャリアを積んだといいます。呂比須氏もS級ライセンスを持つ武田などのもとでキャリアを積み、将来的にはひとりで監督ができるように成長してもらうのがよいでしょう。たとえF1ドライバーでも無免許で公道を走れば犯罪者。指導力ではなくライセンスの有無が重要。呂比須氏も「無免許よりペーパードライバーが正義」という現実から目を逸らしてはいけないのです。

確かに武田のS級ライセンスはペーパーです。ペーペーでパーパーです。しかし、「実質的な権限は何もないお飾りですが…」というオファーを受ける男がどこにいるものか。武田しかいないでしょう。武田にしても指導者のキャリアは監督以外からスタートしたかったのが本音なのです。「武田、ヘッドコーチに就任」「武田Hコーチの熱血指導」「武田Hコーチの指導は深夜に及んだ」「武田Hコーチが選手と裸のつきあいで相互理解」「武田Hコーチ、女子部も受け持つ」「武田Hコーチ、未来のなでしこに情熱注入」など、本人的にもコーチから地道なキャリアを積みたかったはず。それを曲げて監督になってくれるのであれば、ペーパーであろうが何だろうが有り難い話ではありませんか。

↓来年、この集まりに呂比須氏と武田が加わるとしたら爆笑の予感!


武田は加わらないまでも、呂比須氏は確定しているという現実…!

ついに笑いの本場・大阪が、勝利より大切なものを見つけたようだな…!






武田はいつでもオファーを待っている!どんな雑なオファーでも受け入れる!