【日刊埼玉西武ライオンズからのお知らせ】
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埼玉西武ライオンズは現在、エステバン・ハーマン選手(Esteban German)の獲得を目指しているようだ。テキサス・レンジャーズから11月4日にFAとなった野手で、メジャー40人枠には入っていない。ウィンターミーティングの結果次第ではライオンズへの加入が期待される選手だ。日刊埼玉西武ライオンズでは、いち早くハーマン選手のリサーチを進めてみたいと思う。

まず年齢は1978年1月26日ドミニカ生まれの現在33歳で、セカンドを本職とする右投右打の野手だ(サードも可)。体型だけを見ると下半身がどっしりしていて、いかにもホームランを打ちそうな選手なのだが、実際にはホームランバッターではない。左肘を上手く畳んでスウィングができる、内角をそれほど苦にはしないアベレージヒッタータイプだ。プレースタイルだけをみると、もしかしたら3割20本を打ち、中島裕之選手の穴を埋めてくれる助っ人になりうるかもしれない。

今季に関して言えば、メジャー出場はわずかに11試合11打席のみだった。しかし打率は.455という驚異的な高さで、終盤のみの出場だがレンジャーズのプレーオフ進出に貢献した。近年はほとんどをマイナーリーグであるラウンドロック・エクスプレスでプレーをしているハーマン選手だが、今季のマイナーでの成績は123試合の出場で打率.301、153安打、29二塁打、3三塁打、7本塁打、56打点、72四球、44盗塁という好成績を残している。

上記の数字だけを見ると、十分3番の資質があるようにも見える。しかし3番の役割は、4番・5番の前にチャンスを拡大するというところにあるわけだが、ハーマン選手の走者なしの状況での打率は.188だ。だが一方塁上に走者がいれば打率は.448まで跳ね上がり、得点圏打率も.308まで上がる。この傾向を見ると、ライオンズにおいては5番打者タイプなのかな、という印象を強く受ける。

ちなみにハーマン選手は現在、オフシーズンリーグ(ウィンターリーグ)でトロス・デル・エステの一員としてプレーをしている。現在までに18試合に出場し、.311という打率を残している。12月6日まで6試合連続ヒットを記録しており、最近10試合では8試合でヒット(12安打、9四球)を放っている。四球の数を見ても、アベレージヒッターだけあって選球眼は良さそうだ。これは外国人選手が日本で活躍するためには、重要な要素となる。

ライオンズには中村剛也選手という絶対的なホームランバッターがいるため、無理にホームランを打てる助っ人を探す必要がないことは、編成にとっては1つの利点となるかもしれない。ハーマン選手、そして秋季練習に参加したティフィー選手ともにホームランバッターではない。だが外国人選手特有のパワーを持ってすれば、日本では20本以上を打つだけの能力はあるのだろう。仮にハーマン選手、ティフィー選手がともにライオンズに加入し、中村剛也選手の後続として機能してくれれば、ライオンズ打線の破壊力はそれこそノーリミットとなるのではないだろうか。

外国人選手の補強が急務となっているライオンズではあるが、どうやら今年はそれほどの心配はいらなそうだ。あとは2012年1月1日付けで駐米渉外担当となるケビン・ホッジス氏が、遅くともトレード期限である7月31日までに有能な助っ人投手を連れてきてくれれば、日本一奪回へのピースはある程度は揃うこととなるだろう。