今年のマスターズでベストアマに輝いた松山英樹(19)が11月13日、三井住友VISA太平洋マスターズで初優勝。その技術、体格、メンタルなどあらゆる面において、ゴルフ界では「松山のほうが石川遼よりスケールが上」と評判だ。
 「日本のトップクラスの選手は体が小さく、他のスポーツに行けそうにない人が少なくない。石川にしても、スイングを見ていると無理して飛ばしているのがわかるんです。一生懸命に体を作っていますが、それも限界がある。その点、松山は180cm、85kg。持って生まれた体は非常に魅力的です。飛ばす時代の今、世界と対峙するには、100%以上のスイングをしなければならない石川に比べ、無理なく振れる松山は絶対有利。日本にもやっと世界に通用する若手が出てきたか、という感じですね」(ゴルフジャーナリスト・菅野徳雄氏)

 さらに松山はウエートトレーニングで鍛え上げ、飛距離は昨年より5ヤードアップし、ドライバーの飛距離は300ヤード以上とか。パワーにとどまらず、安定感を備えた完成度の高いスイングをしていると菅野氏は絶賛する。
 「いまだスイングに悩みを持ち、試行錯誤を続けている石川と比べると、スイングに関しては松山のほうが優れている」(菅野氏)

 松山は現在、東北福祉大学の2年生。本人は大学在学中のプロ転向は考えていないといわれる。
 「プロになると数字だけになってしまう。しかし、ゴルフの選手生命は長いだけに、じっくり技術や人間を磨ける大学生活も大切です」とも菅野氏は指摘する。銭ゲバオヤジをステージパパに持つ石川の後を追いかけないほうがいいのだ。
 「ゴルフのマーケットもアジア各地で広がっており、いずれ中国を中心に回るといわれています。その意味で、いくら国内でフィーバーしても、世界に通用する若手選手が出現しなければ、日本のゴルフ界に未来はありません。長い目で見る上でも、松山に対するゴルフ界の期待は非常に大きい」(スポーツ紙記者)

 遼クンはオチオチしていられない。