マンチーニ


多くの仲間がゴルフにのめり込んでいる中、マンチェスター・シティのロベルト・マンチーニは自転車に夢中になっている。「少し前から始めたんだ。でもイギリスで手頃な山を見つけるのは難しいんだよ」。


―今シーズンのマンチェスター・シティは、マンチェスター・ユナイテッドに対抗できるチームになるでしょうか?

それはメルカート次第だ。ナスリの移籍が決まってウディネーゼ戦に出場しないことを祈っている。チャンピオンズで彼を起用できないとなると、私たちも目標を代えざるを得なくなる。それにまだ補強ポイントは残っている。


―デ・ロッシですか?

デ・ロッシはこのチームにピッタリの選手だ。彼は世界でもトップクラスのMFだと思う。だがおそらく彼がローマを離れることはないだろう。トッティのように生涯をローマに捧ぐプレイヤーになるんじゃないかな。


―バロテッリがもうちょっと真面目になれば…。

彼はイタリアの新時代を担う最高のタレントだ。フィジカル、技術、センス、トッププレイヤーになる要素をすべて持っている。だが練習に取り組む態度は改める必要がある。練習では最初から最後まで集中していなくてはならないが、残念ながら今の彼はそうではない。


だがピッチの外では好青年だ。周りからはいろいろ書かれたりもしているが、実際に彼の素行が悪いなんてことはない。私は彼を自分の息子のように思っているが、仕事の上では一切容赦はしない。


―彼とふたりで話をすることもあるのでしょうか?

私も今の彼と同じくらいの年齢だった頃は、いくつかミスを犯した。それについて話をしたこともある。


―もし当時のマンチーニを今のあなたが指揮することになったら、どんな指導をするでしょうか?

最初の304年は彼のケツに蹴りを入れているんじゃないかな。その後は存分に活躍してもらってハッピーになっていると思う。


―バロテッリはシティに残留するのでしょうか?

もちろん。


―テベスは?

彼はチームを離れたがっているが、私たちもテベスを安売りするつもりはない。


―タブリンでインテルと試合をした時にモラッティとテベスについて話をしなかったのでしょうか?

プライベートなやり取りはあったが、メルカートの話はしなかった。


―スナイデルのことも?

まったくない。彼についての話は一切なかった。


―あなたがインテルを去ってからもう3年経ちました。

最高の思い出だ。世界でもっとも有名なクラブのひとつと呼べるチームを率いて、成功に導くことができた。


―しかしカルチョ・ポリは未だに尾を引いています。

イタリアのカルチョの汚点とも言える部分だ。だがこの話はしたくない。シティやマンチェスターの街についての話をしよう。


―モッジについては?

フロントの人間としては最高の男でもあった。彼はカルチョを知り尽くしていたからね。でもその後は…。いったい何が彼の頭をよぎったのか私には分からない。


―スクデットはどのチームでしょう?

ミラン、インテル、ユーベの3強になると思う。特にユーベは自前のスタジアムを持つアドバンテージをすぐに活かすことができるだろう。それからナポリ、ローマかな。


―ローマを率いるのはルイス・エンリケです。

彼は新しいスタイルをチームにもたらしてくれるだろうが、結果が出るまでは少し時間がかかると思う。ローマは簡単な場所ではない。


―トッティはローマのシンボルですが、いつまでもそうであるとは限りません。

トッティはトッティだ。大きな怪我を不屈の闘志で乗り越えてきた男が、そう簡単に引退を決意したりはしないだろう。


―あなたの時もそうでしたか?

最初は考えもしなかった。でも20年間現役でプレーし続けて体が悲鳴をあげていた。


―ローマでは「Artista(芸術家)」というニックネームで呼ばれていましたね。

その呼び方は大好きだった。カルチョは芸術と同じだから。


―現在の「Artista」とは誰になるのでしょうか?

メッシ、クリスティアーノ・ロナウド、シルバ、ヤヤ・トゥーレ。


―ヤヤ・トゥーレですか?

彼は素晴らしい選手だ。モダンな芸術家と言える。


―あなたは以前「アグエロはロマーリオのような選手だ」と言っていました。

アグエロはスピードがあって、シーズン平均20ゴールを挙げられる選手だ。


―プレミアで最高の選手は誰ですか?

ジェラード。


―今シーズンのプレミアリーグはマンチェスターの2強でしょうか?

ロンドンのチームを無視するわけにはいかない。なんといってもチェルシーは最高の監督を招聘したからね。彼が経験のある選手たちをまとめ上げるだろう。アーセナルは選手を売却して得た移籍金でビッグネームを補強するはずだ。そしてリバプールにも狡猾な監督、ダルグリッシュがいる。


―プレミアで賞賛されるべき監督は誰でしょう?

ロイ・ホジソンとウィガンのロベルト・マルティネス。


―イタリアでは?

ゼーマン。なぜ彼がセリエAのクラブから声がかからないのか理解出来ない。


―いつか代表チームを率いてみたいとは思いませんか?

もちろん。イタリア代表監督なんて最高に魅力的な仕事だね。


―朝起きて最初に考えることは何でしょう?

太陽かな。もし陽が出ているなら窓から顔を出すようにしている。


―現代でもっとも偉大な人物とは誰でしょう?

ローマ教皇。


―オバマはそうでもないと?

最初は好きだったけれどね。アメリカ合衆国大統領ともなれば相当難しい仕事だと思う。


―イギリスでは市民の暴動があって悲惨な1週間だったと思います。

まったく酷い出来事だった。ここでも他の街と同様に何件か事件が起きてしまった。


―イタリアの経済も崩壊気味です。

まず私たちは以前の状態に戻さなれければならない。本来ならば政府が手本となるべきだが、残念ながら彼らが問題を引き起こしてしまっているのが現状だから…。