担当M(以下M):4月23日から無事に再開したJリーグですが、もう1カ月経とうというのになかなか本来の調子を出せないチームが多くて、予想できにくい試合が続いています。

ラモス(以下R):そういうゲームが多いですね。安定した戦いを見せているのは新潟ぐらいでしょう。僕は前半戦はこのまま、いろんなチームが安定しないだろうと思っています。だから今年は最後までわからなくなりますよ。

M:J2から昇格したばかりの柏の大躍進が象徴していますね。

R:ここ数年リーグをリードしてきたチームの調子が悪いとも言えるでしょう。名古屋、鹿島、G大阪、、浦和、川崎などにまとまりが見られません。特に浦和はどうしちゃったの? という感じですよ。

M:そうなると、今年はいろいろなチームに優勝のチャンスが巡ってきそうですね。

R:そういうチャンスを理解できるクラブ首脳陣がいるかどうかが分かれ目になりそうですね。いけると思ったときに補強できれば抜け出せるかもしれない。そういうクラブが2つ、あるいは3つ出てくると思います。

M:南米の経済状態が改善されているので、今までみたいにいいブラジル人選手をさっと連れてくることができないかもしれません。どのクラブも経済的に厳しそうです。

R:アジアにもいい選手がたくさんいますよ。ブラジル人がダメだったら、まず韓国の選手を考えてみればいいじゃないですか。ともかく、クラブの財布を握る人たちが正しく判断できるかどうかです。

M:チームと首脳陣との二人三脚が必要ということですね。

R:二人三脚じゃないかもしれません。リーグ制覇を意識しているチームが沈んでしまい、優勝が無理だと思ったら、すぐに首脳陣は指揮官を入れ替えたほうがいいですからね。そうすれば他のチームよりも先に次のシーズンの準備ができます。

M:ですが就任したばかりの監督にとって半年で結果を出すというのは難しいのでは?

R:チャンピオンを狙っているチームなら仕方がないことなんですよ。初めてJリーグで指揮を執る浦和のペトロヴィッチ監督や川崎の相馬監督には大きなプレッシャーがかかると思いますが、それが与えられた仕事なんです。それに、この半年で中位以上の結果を出せたら大化けして名監督になるかもしれない。どちらのチームも戦力は整っています。だから選手のやる気を起こさせて、ぜひ栄光を勝ち取ってほしいと思います。