長友がジェノア戦でインテルでの初ゴールを決めたね。センターバックの選手と交代で入ってきて、ゴールを決める気満々でペナルティエリア内にまで侵入し、思いっきり左足を振り抜いた。アピールする意識の高さがよく表れた、素晴らしいゴールだったね。サイドバックというのは簡単に点を取れるポジションじゃない。チャレンジする姿勢のたまものだよ。
 
ゴールを決めたからといって、現状のプレーだけで完全移籍が近づいたとする評価は時期尚早だと思うけれど、いいアピールになったのは間違いない。チーム内で愛される立場にいることは画面を通しても伝わってくるし、このままがんばってもらいたいね。

ところで、他の海外組の選手はどうなっているのだろうか。シャルケでCLのベスト8に進出した内田、それからセンセーショナルなデビューを飾った宮市の話題は多少流れているけれど、長谷部や槙野、その他の選手の動向は、いわゆる大マスコミから伝わってこない。
 
長友、長友と騒がれるたびに、僕はやはり日本のスポーツ報道のあり方に疑問を持ってしまう。基本的に、売れるものしか扱わないんだ。だからその選手がいいときは大々的に報道して、そうじゃないときはスルーする。すると、すべてうまくいっているように見えるよね。そして、その選手の情報だけを伝えることで、周辺のことがよくわからないんだ。
 
これは、日本人メジャーリーガーを報じる場合にも同じことがいえるかもしれない。誰それがホームランを打ったのはわかる。でも、そのチームが何位で、どんな状況なのかというのは伝えられないよね。
 
そして一番の問題は、歴史を忘れてしまうことだ。日本のスポーツ報道は、試合前と試合中の煽りがすべてで、検証と反省にまったく時間を割かない。すべて一過性報道に終始してしまっている。

これではそのスポーツの本質はなかなか捉えられない。日本にスポーツ文化が根付くためには、スポーツ報道のレベルアップも不可欠だと思うね。(了)