先週から英デイリー・メイル紙ウェブ版に、インテルのFWサミュエル・エトーが腰をかがめ、手を合わせて哀願しているようすが掲載されている。

 ピッチで審判にファウルを取り消すよう求める姿とそっくりだが、エトーは私服。そして情けを乞う相手は審判でなく、婦人警官だ。実はこれ、エトーがミラノの街なかで、駐車違反のキップを切られた直後の画像だった。

 エトーといえば、推定年棒1130万ユーロ(約12億7000万円)。欧州トップレベルの高額プレーヤーだ。W杯の予選突破を祝ってカメルーンのチームメイト全員に高級時計を贈るなど、気前のいいことでも知られるが、イタリアで駐車違反の罰金は60ユーロ(約6700円)。

 ここで「はした金」と言わんばかりにすぐさま罰金を払っていたら、かえって金持ちの嫌味が出るが、食い下がるあたりが人間的だ。わずかなチャンスも逃そうとしない天才ストライカーの資質と言えなくもない。長友佑都も素敵なチームメイトに恵まれたものだ。