ムバラク大統領の退陣を求めるデモが続くエジプトの情勢に不安を抱く人も多い中、エジプトで4年以上働いている南アフリカ人女性教師が「南アフリカよりもカイロのほうが安全に思える」と発言した。

この女性はカイロのアメリカンスクールで美術教師をしている55歳の女性リンダさん。南アフリカのプレトリアにある教育関係者ではよく知られているそうだ。「自分の部屋のバルコニーから囚人が火を放っているのを見ていても、南アフリカより何百万倍も安全に思える」という大胆発言をしている。

しかも2月1日カイロでのデモ中ですら、リンダさんは町で買い物をしていた。「新鮮な食材、パン、卵、なんでも買えたわ。」とのこと。デモに参加しているエジプト人は刀や鞭、挙句にほうきなどの武器を持って歩き回っているのに、大丈夫なのかとたずねると、彼女の住むMaadiという郊外の町には南アフリカ人や裕福なエジプト人が住んでいるそうで「エジプト人がここ数日の暴動に何とか対処しようとがんばっている。南アフリカ人はこの状況を一度経験しているのでその気持ちがわかる。エジプトで今起こっていることに対して舞い上がっている人もいれば、恐怖やパニックに陥りそうな人もいる。」と、過去の経験を乗り越えた強さがうかがえる。

「エジプトでのデモでは毎日のように銃声が聞こえてくる。町では家族を守ろうと毎晩のように近所のグループが見張っている。そのグループが寒さしのぎ兼いざというときの武器として火を焚いているのが安全だと感じる。」というリンダさん。

南アフリカでは何度も強盗にナイフで喉を突きつけられる恐怖を味わっているということで、リンダさんにとっては南アフリカよりもまだ安全だそうだ。

いずれエジプトにもマンデラのような人物が現れるといいだろう。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)

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