先週でヨーロッパリーグもグループステージが終了し、各グループ突破の24チームが決定。ベスト32が出揃いました。それと同時に、脱落する24チームも決まった訳ですが、グループ3位のチームもヨーロッパリーグに回ることができるチャンピオンズリーグと違って、ヨーロッパリーグは敗退してしまったらそこで終わりの厳しいコンペティションです。

ということで、今回はせっかくヨーロッパリーグの本戦まで辿り着いたのに、わずか6試合で大会を後にすることとなった敗退組の全24チームから、活躍が目立った20歳以下の選手をピックアップして、ご紹介したいと思います。

なお、資料として確認できた映像はそのほとんどがハイライト映像のみなので、攻撃的な選手が多いのはご理解下さい。また、今回のピックアップはあくまでヨーロッパリーグでの活躍という観点なので、そちらもご了承下さい。では、以下どうぞ。

【GROUP A】
ユヴェントス(ITA) 
MF ニッコロ・ジャンネッティ(19歳・イタリア国籍) 1991/5/12

ニアへ潜り込んで右足アウトで決めたシティ戦のゴールにはセンスを感じる

ザルツブルク(AUT)
DF マルティン・ヒンテレッガー(18歳・オーストリア国籍) 1992/9/7

次世代のオーストリアを担い得る長身センターバック

【GROUP B】
アトレティコ・マドリー(ESP)
MF フラン・メリダ(20歳・スペイン国籍) 1990/3/4

アーセナルから母国に帰還したレフティは最終節のゴールで存在感示す

ローゼンボリ(NOR)
MF マルクス・ヘンリクセン(18歳・ノルウェー国籍) 1992/7/25

フル代表にも招集されている逸材はボールを呼び込む動きに特徴アリ

【GROUP C】
ゲント(BEL)
MF ヤシン・エルガナシ(20歳・ベルギー国籍) 1990/7/12

ゴールは挙げられなかったし、映像にもまったく出てこなかった

レフスキ・ソフィア(BUL)
FW アレクサンダル・キロフ(20歳・ブルガリア国籍) 1990/10/25

トップチーム登録の中で唯一の20歳以下なので消去法的に

【GROUP D】
ディナモ・ザグレブ(CRO)
DF シメ・ヴルサリコ(18歳・クロアチア国籍) 1992/1/13

上下動もできて体も張れる右サイドバック。飛び級でU-21にも選出

クラブ・ブルージュ(BEL)
FW ステファン・シュチェポヴィッチ(20歳・セルビア国籍) 1990/1/10

ファーへ消える動きから決めたPAOKサロニカ戦のゴールはまさにストライカー

【GROUP E】
AZ(NED)
FW コルベイン・シグソールソン(20歳・アイスランド国籍) 1990/3/14

豪快さと繊細さを併せ持った生粋のストライカータイプ。代表でも5試合3ゴール

シェリフ・ティラスポル(MDA)
GK ドミトリ・スタイラ(19歳・モルドヴァ国籍) 1991/8/2

4節以降ゴールマウスを任されると、ファインセーブ連発

【GROUP F】
パレルモ(ITA)
MF ニコラ・リゴーニ(20歳・イタリア国籍) 1990/11/12

スパルタ・プラハ戦ではスーパーでパーフェクトなミドルを沈めた

ローザンヌ(SUI)
DF ビガンボ・ロシャ(19歳・スイス国籍) 1991/5/29

しなやかな右サイドバックだがポジショニングが課題か

【GROUP G】
AEKアテネ(GRE)
DF コスタス・マノラス(19歳・ギリシャ国籍) 1991/6/14

ハイデュク戦では背筋の強そうなヘディングでゴールも決めてみせた

ハイデュク・スプリト(CRO)
FW アンテ・ヴクシッチ(19歳・クロアチア国籍) 1991/6/4

タイミングがズレてもゴールに流し込めるシュートセンスで一気にブレイク

【GROUP H】
ヘタフェ(ESP)
FW アドリアン・サルディネロ(20歳・スペイン国籍) 1990/10/13

股抜きからゴールを決めるなどテクニックはかなり高い

オーデンセ(DEN)
FW バシュキム・カドリー(19歳・デンマ−ク国籍) 1991/9/7

元々フォワードだがELでは左サイドでチームのアクセントに

【GROUP I】
サンプドリア(ITA)
DF アンドレア・グリエーコ(19歳・イタリア国籍) 1991/10/5

右サイドバックで最終節に出場したものの、まだまだ大いに成長の余地アリ

デブレツェニ(HUN)
FW アダム・ボーディ(20歳・ハンガリー国籍) 1990/10/14

チャンスに絡む回数も多く、センス抜群のスルーパスも武器

【GROUP J】
ドルトムント(GER)
MF マリオ・ゲッツェ(18歳・ドイツ国籍) 1992/6/3

代表デビューも果たした新鋭の、2列目から裏へと抜け出すタイミングはやはり秀逸

カルパティ(UKR)
FW ヴォロジミール・フディマ(20歳・ウクライナ国籍) 1990/7/20

各年代の代表経験者だがもうちょっと痩せた方がよさそう

【GROUP K】
ステアウア・ブカレスト(ROM)
MF ミハイ・ラドゥツ(20歳・ルーマニア国籍) 1990/3/20

フル代表にも選ばれているが、映像にはほとんど出てこなかった

ユトレヒト(NED)
MF レオン・デ・コヘル(19歳・オランダ国籍) 1991/11/13

積極的にシュートチャレンジする姿が印象に残った

【GROUP L】
ラピド・ウィーン(AUT)
MF クリストファー・ドラツァン(20歳・オーストリア国籍) 1990/10/2

正確さと強烈さを兼ね備える左足は一見の価値アリ

CSKAソフィア(BUL)
FW ルーカス・エセキエル・トレカリキ(19歳・アルゼンチン国籍) 1991/2/12

19歳なのにブルガリアでプレーしているキャリアに敬意を表して

今はまだそれほど有名ではないし、トップでの出場経験も大してないような選手たちですけど、是非数年後にもう1度このリストを見返して、その時のヨーロッパのフットボールシーンで彼らがしっかり活躍しているか、チェックしてみて下さい。ちなみに私のイチ押しはローゼンボリのヘンリクセンと、デブレツェニのボーディです。

なお、今週のFoot!は鈴木良平さんをお迎えして、“ドイツの育成特集”をお送りしますのでお楽しみに!

土屋雅史(J SPORTS「Foot!」)
WORLD SOCCER NEWS「Foot!」


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