今年のドラフト最大の目玉となる早大・斎藤佑樹。今月4日には、リーグ史上6人目の30勝＆300奪三振を達成して話題になったが、その快挙の裏には、自身が「もうダメ」と語るほどの苦悩があった。

3日深夜放送、テレビ朝日のスポーツ番組「Get Sports」では、野球解説者の栗山英樹が聞き手となり、斎藤のインタビューが放送された。

「4年生になって、すごい野球が楽しい。すごい投げて楽しい感覚がある」と語る斎藤だが、大学進学以降は、速い球を投げたいという思いから、ウエイトトレーニングを重点的に行い、結果、バランスを崩して一時は成績も低迷した。

当時を振り返り、「腕の角度とか、すごい苦しんで。（腕が）上がってこない。身体が斜めになった。（中略）スライダーで苦しみました。（ボールが）抜けたり、横曲がりなったりして、真っ直ぐが活きてこない。プラス、スライダーでも三振が取れない」と苦悩した様子を吐露した。

しかし、今年8月に行われた世界大学野球選手権大会のアメリカ戦で、初回に満塁ホームランを打たれ、敗戦投手にはなったものの、後続をしっかり抑えたことで手応えを感じていたという斎藤。その後は、スピードへのこだわり捨て、コントロールを重視、投球フォームもスリークオーターに変更した。

「（違う一歩を）もう踏み出していますね。基本的には、自分の納得いくところにボールがいってる。楽しいです」と笑顔をみせた元“ハンカチ王子”は、「プロになってその選択が正しかったか分かる」と自信を漲らせた。