中国人民銀行副総裁で国家為替管理局局長の易綱氏が、中国は世界第2位の経済大国となったと発言、世界のメディアからは「一人当たりGDP」の低さを指摘する報道が続出した。

 これに対し、中国の羊城晩報は2日、「貧乏人をのぞけば、中国の一人当たりGDPも日本を超えている」と語り、貧困層の多さが中国の一人当たりGDPを押し下げている原因であり、中国にとって貧困層の救済が急務であると主張した。

 記事では、中国のわずか3800ドルという一人当たりGDPは日米両国の一人当たりGDPに遠く及ばないとしながらも、「貧乏人を計算に入れず、富裕層だけを対象に計算すれば、われわれの一人当たりGDPは日本を超えている」と皮肉を語った。

 中国では都市部と農村部の収入格差が3.3倍に達し、同業者間における収入格差は最大で15倍、国有企業の管理職と一般的な平均給与の格差は最大で128倍となっている。また、富裕層と貧困層の収入格差は23倍に達し、その開きも拡大を続けている。記事では、「中国の貧富の差はすでに警戒ラインを超えている。一人当たりGDPの計算対象を富裕層だけに限定すれば、日米に匹敵するのは当然だ」と主張した。

 続けて記事では、「貧しいことは罪ではないと言った人がいるが、現在の中国では貧しいことは罪である」とし、貧しい人々の存在が中国経済の統計および中国の国家イメージに少なからず影響を与えていると主張。

 さらに、「問題の核心は、貧しい人々は自ら希望して貧しいままでいるわけではないということであり、その立場から抜け出すことができないことだ」と指摘し、中国経済の発展は個人の発展と切り離すことはできないと主張。「貧乏人をのぞけば、一人当たりGDPも日本を超えている」と皮肉を語った上で、逆説的に中国の経済モデルを批判し、貧困層を救済する必要性があることを主張した。(編集担当:畠山栄)



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