いよいよ南アフリカ代表メンバー発表が近づいてきたが、今回は南アフリカより先、W杯招致を切り口に話したい。
2018年と22年W杯の招致合戦が始まっている。日本は当初18年をターゲットに入れていたが、18年は欧州でというFIFAの意向を受け、22年招致に一本化したらしいね。南アフリカ大会本番を目前にしても冷め切った国内サッカー界の現状に危機感があるのか、はたまた自分の会長任期中に何か足跡を残したいのか、いずれにしろ起爆剤となるファクターを求めているからこその招致活動だろう。
日本サッカー協会には潤沢な資金があり、結果的に招致できなかった2016年東京五輪のことを考えても、招致活動自体がビジネスになるしね。

立候補自体は大賛成だ。しかし、南アフリカ大会の結果を受け、協会組織内部の問題を含めて検証と反省をしてはじめて、12年後の話がある。そうした反省がなければ、現在の日本サッカー界の状況、レベル、下の世代の状態を考えると、12年後にW杯を開催するに相応しいものを世界に提供できるかどうか、甚だ疑問だ。自国開催じゃないと出場できないレベルに落ちている可能性も否定できないよね。

そういった意味でも、やはり今回の南アフリカ大会というのは大きなターニングポイントになるだろう。
6月、7月というのは、サッカー界の人事と重なっている。Jリーグのチェアマンは定年があるから交代することは決まっている。では犬飼会長はどうなるのか。おそらく続投が規定路線だろうし、それは前任者が敷いたレールであることはわかっている。けれど、南アフリカ大会の結果如何ではそれをそのまま良しとしていいものかどうか、ファン・サポーターも含めてサッカーに携わるみんなが考えるべき問題だよ。その先の招致活動も、人事の結果によって変化していくだろう。

「南アフリカW杯後」は、12年後の日本サッカー、つまり未来の日本サッカーを考える上でとても大事なポイントだ。その意識を強く持って、10日の代表メンバー発表を待ちたいと思う。(了)