フランス代表のレイモン・ドメネク監督が12日、国際親善試合スウェーデン戦(20日)のメンバー20人を発表したが、ゴールキーパーには22歳のユーゴ・ロリス(リヨン)、23歳のスティーブ・マンダンダ(マルセイユ)という若手2人が選ばれた。

 ともにこの年代では世界屈指のGKとして高い評価を受けており、今後のさらなる飛躍が非常に楽しみな選手だが、かねてから「GKは経験と格が重要」と主張してきたドメネク監督にしては思い切った決断といえる。

 昨シーズンのリーグやユーロ2008で明らかにパフォーマンスの下がった35歳のグレゴリー・クペ(アトレティコ・マドリー)はともかくとして、今回の選択に納得がいかないのは第2キーパーだったセバスチャン・フレイ(フィオレンティーナ)だろう。

 ドメネク監督は、スペインやイタリアのリーグがまだシーズン開幕を迎えていないことを理由に挙げているが、フレイはチャンピオンズリーグ(CL)予選のスラビア戦(12日、2―0でフィオレンティーナが勝利)で上々の仕上がりぶりを見せている。

 14日のレキップ紙によると、代表落ちしたフレイは「いまは話したくない。2日間の休み中に考える。代理人と話し合って、数日中に結論を出す」と代表引退があり得ることも仄めかした。

 “代表引退”といっても、フレイのキャップはわずか2試合。セリエAで9シーズンにわたりトップレベルで活躍してきた実績を考えると、28歳と脂の乗る時期での代表引退は、あまりに不運な幕切れだ。

 レキップ紙は、代表メンバー発表とCLの試合があった12日の夜、フレイが父親と午前2時まで電話で話し込んだことを伝えている。「おたがいの意見を言い合ったが、ふたりの考えは一致した。結論は、本人が数日後に語るだろう。いずれにせよ、どうするかはもう決めている」という父親の談話からは、すでに代表引退を決めたかのようにも受けとめられる。ちなみにフレイの父親の名前は“レイモン”という。