2003年夏、当時ルチャーノ・ガウチに率いられていたカターニャ(当時セリエB)が一般法廷に起こした告訴を経て、セリエBは現在の22クラブ編成になった。TV放映権料や観客数の少なさによって、下部リーグ自体の財政が貧弱なのはイタリアに限った話ではないが、増えすぎたクラブ数にリーグが持ちこたえられない時代が到来しつつある。C2の廃止論まで叫ばれ始めているのだ。
 かりにそれが真剣に検討されるとしても、イタリアでは他国に比べて選手組合機構の発言力が大きいため、職場を失うことになるリーグ廃止はもちろん、チーム数削減にも断固として反対が予想される。だがセリエCの惨状を見るかぎり、リーグ、クラブ、選手が共倒れになる可能性すらある。

 今季、北部ヴェローナ近郊のある地方クラブがやはり財政危機に陥った。ある男が救いの手をさしのべ、現金500万ユーロ(約8億円)でクラブ買収をもちかけた。ただし、用意されていたのはすべて偽札だった。クラブ破綻危機の弱みにつけ込んだ犯罪まで横行するような現状。イタリアン・コメディだと笑えない。これは実話なのだ。