17日に行なわれたユーロ2008予選で、グループEのロシアはイスラエルに1-2で敗戦。この結果、先月ロシアとの直接対決に敗れ、予選突破に黄信号が灯っていたイングランドに自力突破の可能性が復活した。21日に控える首位クロアチアとの一戦で引き分け以上の結果を残せばユーロ2008本大会出場が決定するイングランドにとって、ロスタイムにイスラエルの勝ち越しゴールを決めたFWオメル・ゴランはまさに救世主となった。

 イングランド代表の予選突破を願うファンが固唾を呑んで見守ったイスラエル対ロシアの一戦でロスタイムに決勝点を奪ったのはマッカビ・ペタティクバに所属するFWゴランだった。イングランドに本大会出場のチャンスをプレゼントするだけでなく、解任の危機に立たされていたスティーブ・マクラーレン監督をも救ったこのストライカーには、英国のブックメーカーから高級車が贈られるなど、一夜にしてイングランド国民のアイドルとなった。

 この状況にゴラン自身も試合後、サッカーの母国を救えたことに喜んでいるとコメント。さらに、この活躍で自身の夢であるプレミアリーグ移籍が実現するよう祈っていると語った。

「もちろん僕たちはチームやイスラエルのファンのために戦ったけど、この結果でイングランドの人々が喜んでくれるなら僕も嬉しいよ。僕はイングランドに予選を突破してもらいたかったからね。チームメイトの大半も同じことを考えていたはずだよ。それに、僕は子どものころからプレミアリーグでプレーするのが夢だったんだ。試合を観たプレミアのクラブが注目してくれて、夢の実現に繋がれば嬉しいね」

 予選敗退を喫した1994年ワールドカップ以来の危機からイングランドを救ったゴラン。サッカーの母国にとって大きな価値を持つゴールを決めたこのイスラエル人ストライカーは、その運の強さでプレミアクラブの興味を惹き付け、自身の夢をかなえることが出来るだろうか。