2007-08シーズンのリーガで台風の目になりそうなチームは、マジョルカ、アスレティック・ビルバオ、ベティス、デポルティーボ、ヘタフェ、エスパニョール、オサスナ、そして昇格を果たしたムルシアになりそうだ。優勝争いに食い込む可能性もあるが、目標はUEFAカップ出場圏内といったところだろう。

 このプレシーズンでチームの仕上がりの良さを見せているマジョルカ。グイサとウェボの加入で得点力がアップ。イバガサのラストパスも活き、アランゴのミドルシュートも大きな武器だ。

 ここ数シーズン、降格争いに顔を出していたベティスとアスレティック・ビルバオだが、もう二度と繰り返したくないと思っているはず。両チームともに監督が交代。ベティスはクーペル監督を招聘し、メンバーにも変化を見せている。両サイドにはマルク・ゴンサレス、オドンコールと快足ウィンガーを揃え、難のあったGKにはリカルドを獲得。クーペル監督の手堅いフットボールで結果を出していけるかに期待がかかる。一方のアスレティック・ビルバオもカパロス監督にかかる期待は大きく、古豪復活を目指していくことになる。

 メンバーの顔ぶれが大きく変わったクラブの一つオサスナ。ソルダード、ラウル・ガルシア、ウェボ・バルドを放出したが、ポルティージョ、パンディーニ、そしてメキシコの新星ベラを獲得。昨シーズンはUEFAカップとの両立に失敗し、14位で終わったオサスナだが、今シーズンはリーガに専念できる点は大きなメリットだ。

 シュスター監督が去り、アレクシス、グイサ、ビバル・ドラド、バレデスと主力を失ったヘタフェだが、ラウドルップ新監督の下、プレシーズンでは無敗と好調さを見せている。ケパ、ウチェ、バジャルドといった新加入の選手にかかる期待は大きい。そしてUEFAカップとの両立ができるかがカギとなる。

 移籍の噂も出たタムード、デ・ラ・ペーニャ、ルイス・ガルシアの残留はエスパニョールにとって大きい。メンバーに大きな入れ替えはないが、その分チームとしての熟成に期待だ。

 “ベイビー・デポル”は今シーズンも健在。ロティーナ監督は選手達の気持ちを掴んでおり、若さが良い方向に爆発する可能性もある。メキシコの至宝グアルダードがチームを牽引しているか楽しみだ。

 1部に昇格したムルシアだが、昨シーズンのレクレアティーボ的な存在となる可能性が高い。バイアーノ、レゲイロ、パブロ・ガルシア、メヒア…といった選手の補強を獲得し、選手層を厚くしている。

 “マルカ”が実施した「どのチームがサプライズを起こしそうか?」のウェブアンケートでは、マジョルカ10.71%、アスレティック12.1%、ベティス35.36%、オサスナ3.7%、ヘタフェ10.39%、エスパニョール7.8%、デポル9.45%、ムルシア10.49%、という結果になり、今シーズンはベティスが台風の目になりそうだとの見方がでている。

 現実的にはUEFA出場圏内を争うことになると思われるが、リーガを盛り上げてくれるという意味でも上記のチームのサプライズに期待したい。

(スペイン通信)