ライブドア(LD)事件で証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われた公認会計士、久野太辰(たいしん)被告と小林元(もとし)被告の公判が27日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれ、弁護側の最終弁論が行われた。両被告とも最終意見陳述であらためて無罪を主張。公判は結審し、判決は2007年3月23日午前10時から言い渡される。

 すでに検察側は、両被告にそれぞれ懲役1年6月を求刑している。

 小坂裁判長に「最後に裁判所に言っておきたいことはあるか」と尋ねられた久野被告ははっきりとした声で「私は無罪だと思っている」と返答。小林被告も無罪を訴えた。

 起訴状によると、両被告はLD元社長、堀江貴文被告=同法違反の罪で公判中=らと共謀。LDの04年9月連結決算は約3億円の経常赤字だったにもかかわらず、自社株売却益約37億6000万円を本来認められていない売り上げに計上したほか、買収予定の会社からの架空売り上げ約15億8000万円も計上。約53億円を粉飾した有価証券報告書に適正意見を付け、関東財務局に提出した。

 これまでの公判で、証人出廷した会計学者が自社株売却益の売り上げ計上について「当時はガイドラインが決まっていなかった。会計士の責任を問うのは異論がある」と、弁護側主張に沿う証言をしている。【了】

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