調理ロボット「全自動煮麺機」の開発を手掛けた台湾科技大の林其禹教授=同大提供

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(台北 20日 中央社)注文を受けてから盛り付けまでわずか1分――人の手を一切借りずに牛肉麺を完成させるロボット「全自動煮麺機」を台湾科技大(台北市)の研究チームが開発した。同大で19日に行われたロボット関連イベントで公開された。開発を指揮した同大の林其禹・特別教授は、営業時間や人手などの制限を受けずに安定した品質の料理が提供できると期待を示している。導入に向けて現在、病院や飲食店などと交渉中だという。

ロボットの研究に長年、身を投じてきた林教授は、海外でおいしい中華料理になかなかありつけないことが開発のきっかけになったと話す。より多くの人に中華料理を食べてもらおうと、進んだロボット技術を調理ロボットに応用。料理の品質の安定だけでなくコストの削減につながり、衛生管理もしやすくなると林教授はメリットを挙げた。

麺の太さや固さを変えることができ、客のオーダー通りに麺をゆで、スープを注ぎ、牛肉を入れた後、仕上げに付け合わせの小鉢をトレーにのせる。麺の最適なゆで時間を算出し、同時に複数のオーダーを処理することも可能だという。

開発に参加した同大大学院生の呉睿騰さんは、市場に出回っているものに類似した機械はなく、設計や部品、材質など全て自分たちで考える必要があったと苦労をにじませる。一方で、経験を積むことができ、自身の技術や能力も向上したと達成感を示した。

(許秩維/編集:楊千慧)