堂安、中島、遠藤、南野。この4人が今後、森保ジャパンの核となっていくはずだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大 (全3枚)

 すごかった。見事な試合だった。

 南野と堂安と中島、あの3人が揃うとやっぱり違うね。

 この試合では、最終ラインに吉田と長友と宏樹(酒井)が戻って、ボランチのところには柴崎がいて、トップには大迫と、この夏にロシアで戦ってきた選手が復帰を果たした。見どころとしては、そこに遠藤や南野、堂安、中島といった若手が入ることで、どんな“化学反応”が起きるのか。僕自身も、このウルグアイ戦はそこに注目していた。
 
 でも、あれ、“化学反応”なんかじゃないよ。

 ワールドカップ経験者と、これからの日本代表を背負っていくだろう若手がリンクし、新しいコンビネーションを生み出すのか、そのコンビネーションはチームに刺激を与えるのか、といった感じで世間は騒いでいたけど、いやいやいや、あの若者たち、反応を起こす前に完全にチームをリードしていたから。

 あれは“化学反応”なんかじゃない。堂安にしても、中島にしても、南野にしても、べつに「ロシア組と良い反応を起こそう」なんて感じではプレーしていなかったからね。大げさに言えば、「先輩、俺たちだけでできますから、大丈夫です」くらいの感じだったんじゃないかな(笑)。

 実際、堂安や中島は崩しの局面で、宏樹や長友の助けを必要としていたかい? まあ、その宏樹や長友がちゃんと真面目にオーバーラップを仕掛けてくれるから、たまに使いますかってな感じでパスを回していたけど、それよりむしろ、ウルグアイの最終ラインを構成する世界のトッププレーヤーたちとの対戦を楽しんでいるというか、みずから1対1の勝負を仕掛けたくてウズウズしているように、僕には見えたな。

 数的優位の状況を作ってサイドを崩すとか、そういう約束事がなくても彼らはやっていけるよ。ロシア・ワールドカップどころか、前回のパナマ戦のときと比べても、攻撃の際のプレーのアクセントというか、リズムというか、感性というか、そういうものが違い過ぎた。おそらく今日のメンバーが森保監督が考える「ベスト」だろうね。
 
 3点取られたっていうのは、たしかに反省材料だけど、リスタートからの失点は、ある意味仕方がない部分ではあるだろう。今日のチームは背の高い選手が少なかった。だから、ゾーンで守るってことはできないし、となれば当然、マンマークで身体をぶつけていくしかない。ただこのへんはもう、今後の反復練習で強度を上げていくしかないよね。

 それより今日は、ウルグアイ相手に4ゴールを奪って勝ったっていうのがなにより大きいし、価値がある。韓国に負けて、アジアでの連敗は許されないという状況で乗り込んできた相手を、ものの見事に粉砕したわけだからね。

 もちろんウルグアイにしたって、若手を試さなければいけないという状況ではあっただろうし、その中で不具合もあったんだろうけど、それでも日本がチーム力で上回っていたのは間違いない。

 だって、相手のDFラインなんて、カセレスがいて、ゴディンがいて、長身のコアテスに、左はミランに所属するラクサールでしょ? ムスレラだって名の知れたGKだ。

 その守備陣を前に怖気づくどころか、大量4ゴールを叩き出した。きっと相手がFIFAランクの5位だって言われても、堂安や中島あたりは、そんなの屁とも思っていないんだろうね。
 
 大迫だって、パナマ戦の後では僕もいろいろ注文をつけたけど、今日は本当に良かった。あれだけボールがしっかり収まって、90分間チームのために働ければ、もはやケチのつけようがないよ。だって、あのゴディンがボールを奪えないんだからね。

 南野に堂安、それから中島もそうだけど、過去にいないよ、あんなボールタッチをするヤツは。コスタリカ戦のあとも言ったけど、彼らのプレーには“ノッキング”がない。次の動作に移るための準備みたいなのがないから、つねに同じ姿勢からパスもできるし、シュートもできるし、ドリブルもできてしまう。