2001年5月4日、偽造旅券で日本に入国しようとし、国外退去処分となった金正男氏(左)、2017年8月25日にソウル中央地裁に到着した韓国の朴槿恵・前大統領=ロイター

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 世界で去年あったあのニュース、今どうなってるの? マレーシアで起きた金正男氏の暗殺事件は裁判が進行中。一方、収賄などの罪で裁判中の韓国の朴槿恵(パククネ)前大統領は出廷を拒否していますが、贈賄側には有罪判決が出ています。フィリピンに出現した過激派組織「イスラム国」(IS)の支部は鎮圧されました。ロヒンギャ問題は先行きが見えない状態です。(朝日新聞国際報道部・神田大介)

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朴槿恵・韓国前大統領、出廷を拒否

 韓国では2017年3月、前大統領の朴槿恵氏が収賄などの疑いで逮捕されました。現在はソウル中央地裁で公判中です。ただ、朴氏は捜査を「政治報復」と批判、健康上の理由で出廷を拒否しており、今後どう進んでいくのかは流動的になっています。

 なお、朴氏への贈賄の罪に問われた韓国最大の財閥サムスングループの実質トップ、サムスン電子副会長の李在鎔(イジェヨン)被告に対し、ソウル中央地裁は8月、懲役5年(求刑懲役12年)の実刑判決を言い渡しています。

 また、朴氏の支援者で、サムスンの李被告から賄賂を受け取っていたとされるチェ・スンシル被告に対し、検察は懲役25年と罰金1185億ウォン(約123億円)、追徴金約78億ウォン(約8億円)を求刑。判決は1月26日の予定です。

金正男氏の殺害事件、実行犯は無罪を主張

 マレーシアの首都クアラルンプールの空港で2017年2月、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の母親の異なる兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害されました。

 正男氏の顔に、猛毒の神経剤「VX」をふくむ液体を塗りつけて殺したとされる実行犯の女2人(ベトナム人とインドネシア人)は現在、マレーシアで裁判中。10月にあった初公判では起訴内容を否認し、無罪を訴えました。審理は2018年も続きます。

 ただ、犯行を指示したとされる北朝鮮籍の容疑者4人は、すでに帰国したとされています。金正男氏の遺体が北朝鮮に引き渡されていることもあり、事件の真相が明らかになるのは難しそうです。

フィリピンの「イスラム国」、リーダー死亡

 フィリピンでは2017年5月、ドゥテルテ大統領が南部ミンダナオ島に戒厳令を出しました。

 ISの「フィリピン支部」を名乗る武装組織が勢力をのばし、フィリピン国軍と交戦状態に。10月に組織のリーダーが死亡し、一応の収束となりました。

 フィリピン政府の発表では、5カ月間の戦闘で市民47人、政府側162人、武装組織側824人が死亡したということです。

 ところが、12月13日、戒厳令の1年延長が決まりました。再びISの信者が集まるかもしれないという理由ですが、「犯罪者は殺してマニラ湾の魚のえさにしてやる」といった過激な発言で支持を集めてきたドゥテルテ氏が、その剛腕ぶりをアピールする狙いもあるようです。

ロヒンギャ問題、批判つっぱねるミャンマー政府

 仏教徒が大半を占めるミャンマーで、差別され続けてきたイスラム教徒の人たち「ロヒンギャ」。2017年8月以降、治安部隊による掃討作戦が本格化しました。

 難民となって隣国バングラデシュに逃れるロヒンギャの数は増え続け、国連によると、既に60万人以上を超えています。「国境なき医師団」の12月の発表によると、8月下旬からの1カ月間で約6700人が死亡。「大量虐殺だ」という批判が強まっています。

 国連人権理事会は12月5日、「ミャンマーでの組織的かつ大規模な人権侵害を強く非難する」と決議。12月21日にはアメリカがミャンマー軍幹部に資産凍結などの制裁を科しました。

 しかし、ミャンマー政府は12月13日、ラカイン州で治安部隊に関する極秘資料を入手したとして、ロイター通信の記者2人を逮捕。2018年1月に現地で調査をする予定だった国連特別報告者の入国を拒否するなど、かたくなな姿勢を続けています。

 今のところ、バングラデシュのロヒンギャ難民は2月ごろにミャンマーへ戻る予定になっていますが、実現するかどうかはかなり不透明です。