昨季、欧州組の中で最も活躍した選手はこの大迫か、乾か、だ。実際、先述のシリア戦を始めとする最近の代表戦でも、大迫はアタッカー陣の中で最も安定したプレーを見せている。

 彼が乗るか否かが、日本の浮沈のカギになってきたいまこそ舵を切るタイミングだと思う。10番と9番の間、すなわちその9.5番的なキャラを前面に行かすようなスタイルの採用こそが、日本を救う道と言っても言いすぎではない。試合の途中からでもいいから、1トップ脇でプレーする大迫を見たいものだ。

 とはいえ、大迫が代表に復帰したのはつい最近。わずか6試合前(昨年11月・オマーン戦)だ。ブンデスリーガで活躍する姿を十分すぎるほど確認してから、ハリルホジッチはメンバーに呼んだということだ。

 評価が低いのか、見る目がないのか。乾についてもそれは言える。評価が十分確定してからでないと、招集しようとしない。試合で積極的に使おうとしない。彼の目は正直、見る目が冴えているとは言い難い。試合の途中から4−4−1−1に変えるような、布陣の変更をフレキシブルに行う柔軟な思考性があるとも思えない。

 伸るか反るかのまさに大一番となった8月31日のオーストラリア戦に向けて、日本の流れは順調ではない。エースなのか、脇役なのか。大迫の中途半端な位置づけにそれは象徴されている。僕にはそう見えるのだ。