スカイツリー付近にある「マンモス公園」は何が″マンモス級″なのか

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東京都墨田区の下町、京島。近年スカイツリーが出来た事で注目された地区に、「マンモス公園」と呼ばれ親しまれている公園があるという。
"マンモス"といえば酒井法子がアイドル時代に「マンモスうれピー」と発言するなど、「とっても」や「大きい」といった意味を伝えるのに使われた言葉だ。「マンモス公園」は何がマンモス級なのか、現地に行って調べてきた。

マンモス公園へ向かう



最寄り駅はいくつかあるが、京成線の曳舟駅で下車。東改札口を降り、明治通りに出る。ここから、「マンモス公園」を目指した。正式名称は京島南公園である。


キラキラ橘商店街の入り口までくると、ぐぐっと下町の世界観が広がってくる。この日は日曜日の夕方、時間帯的に店じまいが多くなっており、買い物客は少な目だ。


商店街には老舗のもつ焼店を発見。常連さんらしきおじさん達が楽しそうに酒を飲みながらもつや焼き鳥を食べていた。店の入り口には通りに面してカウンターが設置されているのがお分かりになるだろうか? このようなお店のつくり、商店街がなんとも下町の商店街らしさである。

マンモス公園に到着



ついに到着。京成曳舟駅から黙々と進めば徒歩10分〜13分程度の距離だろうか。入口に設置された防災情報に「墨田区立京島南公園」と記載されているが、どこにもマンモスという文字は無い。そこで、マンモス公園の近く京島で生まれ育ち、今も京島に住んでいるというOLのMさん(30代後半)に話を聞いた。
「小学生のころは、よくマンモス公園で遊んでいましたよ。いつ頃からマンモス公園と呼ばれていたのかという正確な記憶は無いのですが、地元のみんなはマンモス公園といつも呼んでいましたね」

滑り台が「マンモス」サイズ



「マンモスさはどこかですか? うーん。まず滑り台がとても大きいですね。それとマンモス公園はこのあたりの公園としては大きい公園だったのは間違いありません。その2つがマンモス公園と呼ばれていた理由ではないでしょうか」(Mさん)
確かにこの滑り台はものすごくデカイ。どう考えてもマンモス級である。
「子どものころの遊び方は滑り台を1日100回くらい滑ったり、縄跳びをしたり、特に公園全体で鬼ごっこをするのがとても楽しかったです。昔はマンモス公園にはトンネルがあり、その穴をくぐったり、隠れたりしながら鬼ごっこをするのが楽しかったのですが、危険だったからなのか今は塞がれてしまいました。当時のマンモス公園を知る1人としては少し残念です」(Mさん)

滑り台の長さは約20メートル



墨田区役所の道路公園課に問い合わせると、滑り台は地上からの高さが6.6メートル、滑り台の長さは約20メートルもあるという。「マンモス公園」という名で呼ばれていることについては、「公式な名称ではありませんが、愛称として地元の人達にマンモス公園と呼ばれているのは存じております」とのことだ。
過去墨田区の広報誌(2009年8月21日号)では、滑り台を「京島南公園が、通称"マンモス公園"と呼ばれている所以(ゆえん)でもある」と紹介。まるでアトラクションのような表現で魅力的に伝えている。
「長さ約12mもの斜面を実際に滑ってみると、大人でも少し恐怖心を覚えるほどの迫力あるスピードを体感することができます。想像以上のスリルと興奮に、きっと子どもたちは何度でも滑りたくなってしまうはずです。ただし、小さいお子さんが遊ぶ際には、大人が付き添うなど十分な注意をお忘れなく」
同誌によると、この公園は1963年11月にビスケット工場の跡地につくられ、当時は「あづま西児童遊園」という名称だった。開園当時の様子を記録したモノクロ写真を見ると、滑り台の付近に何十人もの子どもが大行列を作り、大人気だったようだ。いまでは少子化で町内会の子どもは減っているようだが、取材中、3人兄弟の子どもが滑り台で鬼ごっこしている様子を、お母さんが下で見守っている光景に遭遇した。

(文・写真 金剛慶二)