「うちの本棚」四十二回目となる今回は、ホラー系作品を多く描いていた黒田みのるの社会派パニック作品を取り上げます。表題作の『大地震』は、関東に巨大地震が起こったその瞬間と前後をオムニバスで描く4章から構成されたもの。さまざまな状況、環境で地震に遭遇した人々を描いたシュミレーションドラマと言っていいだろう。昭和49年といえば、関東に大地震が起こるだろうと不安がられていた時期(これはいまも続いているのだが