エミリア=ロマーニャの朝靄(あさもや)が、主人公の心象風景のように哀しみを湛(たた)えていた。エンツォ・フェラーリの1957年を切り取った映画『フェラーリ』は、そんな映像から始まる。【写真】この記事の写真を見る(6枚)F1において、感情豊かにレースを見守るフェラーリ・ファンは、スクーデリアへの気持ちはほとんど信仰だと言う。悲喜交々(こもごも)あれど、享受しているのは深い喜びである。そんなグランプリの