北朝鮮当局は、公式に定められた市場ではなく、その周囲の路上や裏道で露店を開く「イナゴ商人」を目の敵にして、取り締まりを行ってきた。表向きは「美観上の問題」や「社会主義にそぐわない」といった理由を掲げているが、実際のところ地方当局の重要な税収である「市場管理料」(ショバ代)を取りはぐれるからだ。取り締まりはコロナ禍においてさらに強化された。市場管理料を払うほどの儲けのない脆弱階層であるイナゴ商人は、