バッガードAIT理事長

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(ワシントン 14日 中央社)近年、米国の学者の間で「台湾放棄論」が出ているのに対し、米国在台湾協会(AIT)のレイモンド・バッガード理事長は12日、抑止と生存の能力が台湾防衛の鍵であると述べ、米台間が台湾防衛について行ってきた徹底的な議論が優れた成果を上げており、台湾は非対称戦力や装備の維持に長けていると強調した。

この発言は米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)とブルッキングス研究所が共催した台湾関係法関連のシンポジウムで行われたもの。

バッガード氏は米国の政治学者、ジョン・ミアシャイマー氏が打ち出している「台湾放棄論」について、主張の提出を歓迎しながらも、日本、英国、台湾のような島嶼は防御において有利だとして、米台両政府の役割を考慮に入れるべきだと述べた。

同氏は、これまで米台双方の政策決定者が台湾の防衛について徹底した議論を重ねており、台湾の非対称戦力や武器の保有などに大きな進展があったとした。また、台湾が自ら開発したり他国から購入する装備は、まさにミアシャイマー氏が指摘するような脅威に備えてのもので、台湾はこの方面に優れていると評価した。

バッガード氏はさらに、抑止と生存の力こそが台湾防衛の鍵だと指摘。抑止力とは北京がもし台湾に武力攻撃を行った場合、反撃の能力があることを相手に認識させて軍事行動を思いとどまらせることであり、生存力とは第三国が介入するまで持ちこたえる力を台湾が有することを指すと説明。中国大陸が軍備を拡張しつつ、台湾を目標とした訓練を行っていることに触れ、台湾が専門の部隊に十分な投資をすることが重要だと強調した。

(廖漢原/編集:谷口一康)