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ポーラ美術館は9日より、美術を"じっくり"楽しむプロジェクト「じっくり/JIKKURI」を開始した。会場は同館 展示室2・3。会期は9月15日まで。

「じっくり/JIKKURI」は、同館の来館者に美術をより楽しんでもらうためのプロジェクト。美術の数ある楽しみ方の中から、そのひとつを提案するために、ディスプレイや、アプリや単眼鏡といった鑑賞ツールを用意し、「鑑賞者の身体感覚に訴える」、「気づきを促す」展示を行う。第1回となる今回は、4月12日〜9月15日まで開催される企画展「モディリアーニを探して-アヴァンギャルドから古典主義へ」の会期に合わせて実施。今回は、「なづける」と「はいりこむ」といったふたつの項目をテーマとして設定した。

「なづける」では、古賀春江とワシリー・カンディンスキーの作品のタイトルを提示せず、鑑賞者にそれを考えてもらう企画を展開。古賀春江の作品については、考えたタイトルを会場設置のタブレット端末に入力すると作品横のモニターに表示されるほか、他の鑑賞者が考えたタイトルも、コーナーの出口で確認できる仕掛けが施されている。

また、「はいりこむ」では、ポール・デルヴォーの大作「トングルの娘たち」に関して、ただ見るだけに留まらない体験を提供。照明を落とし作品に集中できるよう展示造作を工夫したことで、絵の世界に入り込んだかのような演出を実施。加えて、倍率の違う3種類の単眼鏡を設置することで、作品の一部分のみを切り取って鑑賞するという体験をもたらす。そして、複数の消失点を持つ極端な遠近法が用いられている同作の特徴を生かし、フットマークによる鑑賞の位置を提案することで、場所によって作品の見え方が変わる不思議な体験を提案する。

なお、同館では、今後も企画展の会期ごとに、作品との向き合い方を提案するテーマを設け、継続的に「じっくり/JIKKURI」を実施していくとのこと。