いちばん分かりやすい サラリーマンのためのNISA講座

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学生時代からの親友である、大企業のバリバリ広告マン「周ちゃん」と、キレキレ公認会計士「えーちゃん」が飲み屋で何やら話をしている。周ちゃんが最初に気になっていた「確定拠出年金」からいつの間にか最近話題の「NISA」の話に…。

[前回までの記事]
※確定拠出年金について考える

●第1話 資産運用とアベノミクスについてまずは考えてみた
●第2話 そもそも確定拠出年金ってなに?
●第3話 「日本の年金制度について知らないと!」
●第4話 確定拠出年金は「想定利回り」が大事!
●第5話 税制優遇を利用して資産運用の練習をしよう!

NISAについても話したかったんだ!

ねえねえ、俺が口座を持ってる証券会社やら銀行やらから最近やたらNISAの口座つくりませんかっていう案内が来るんだけど、あれって何なの?

おお、NISA(*)って呼ばれてるのが、来年頭の2014年1月1日から開始されるんだけどね。
 NISA口座で行った新規投資額の年100万円までを対象に非課税になるっていう新制度のことだよ。5年分の最大500万円まで、新規に投資した年から5年間、株式や投信なんかからの配当金やキャピタルゲインが非課税になるんだよね。

(*)イギリスのIndividual Savings Account(個人貯蓄口座)を参考にした制度で、頭文字をとってISAと呼ばれる。日本版ISAとしてNIPPON(日本)でのISA制度だからNIPPONのNを頭に持ってきて、NISA(にーさ)という愛称で呼ばれている。

ん? 来年に100万円分の投資をすると、その100万円の投資に対しては5年間税金が掛からなくなるってこと? 最大500万っていうのはどういうこと?

例えば、2014年に100万円分どっかの株を買うとするでしょ。そうすると、2014年度から2018年度までの5年間の間、その株からもらえる配当とか、株価が上がって儲かった時のキャピタルゲインに対して税金が掛からないんだよね。で、2014年度から毎年順次100万円について非課税の対象になって、2014年度から2018年度まで、毎年、5年間100万円ずつ投資を続ければ、最大500万円分の投資を税金が掛からずに出来ますよということ。

ほほう。100万円分の投資を5本並行して走らせるイメージか。でもそれぞれの株がどんなに上がっても5年の間だったら非課税になるなんて、何だか悪くなさそうな話じゃない。実際、配当とかキャピタルゲインの税金って、どれくらい取られるんだっけ?

配当やキャピタルゲインに対する税率は、今年2013年度までは軽減税率で10%なんだけど、来年2014年度以降から20%になるんだよね。正確には復興特別所得税を入れて今年までは10.147%で来年以降は20.315%だけど。
 20%というのは所得税15%プラス住民税5%の合計なんだけど、復興特別所得税というのが平成49年まで上乗せされるからハンパな料率になってるんだよね。

あ、あれって復興特別所得税なんだ。なんかちょっとずつ多く取られてる気はしてたけど。

100万円分を株に投資をして1万円の配当金をもらえるとするでしょ。来年から配当額面1万円に対して20.315%を掛けた2031円が自動的に差し引かれて7969円が口座に入金されることになる。
 NISAを使うと、この2031円が掛からず、1万円がそのままもらえます、ということ。

 キャピタルゲインの方は、100万円分を株に投資して150万円で売ったとするでしょ。そうすると、キャピタルゲインである50万について20.315%で約10万円の税金が取られるんだけど、NISAを使うと、この約10万円が掛かりませんと。

なるほど。来年以降は、配当に対してもキャピタルゲインに対しても20%になるけど、そのNISAってのをやってる分については両方とも非課税になるというわけね。

NISA制度は、軽減税率のキャピタルゲイン課税10%を、従来の20%に戻すこととのバーターで導入が決まった制度って話だね。

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