最終戦優勝の金田洋世(左)と村上めぐみ(右)。二人の付き合いは学生時から。紆余曲折を経て有終の美を飾った

 国内ツアー女子最終戦・川崎市長杯は、川崎マリエン(神奈川県川崎市)にて7日、最終日が行われた。

 今季初めて決勝に進んだ金田洋世・村上めぐみ組(三井企画(株)・上越マリンブリーズ)が浦田聖子(フリー)・西堀健実(丸善食品工業)組をストレートで下し、今シーズン初、昨年第1戦以来の優勝を飾った。

 3位にはすでに年間総合チャンピオンを決めている草野歩(フリー)・尾崎睦(湘南ベルマーレ)組が入り、浦田景子(フリー)・浅尾美和(エスワン)組は4位に終わった。

 「終わり良ければすべて良し!」と笑う金田だったが、目には涙が浮かんでいた。

 昨シーズン、気心の知れた二人はチームを再結成し、開幕戦で優勝。166cmの金田と165cmの村上は、最も低い身長のペアだったが、機動力と粘りでツアーの台風の目になった。だがその後、失速していく。いきなり勝ったことで「勘違いした」と自らの実力と方向性を見誤った。勝てなくなると、二人の技術の差、考え方の違いが浮き彫りになり、二人は個別に練習するなどチーム内もギクシャクし始めた。勝ちはないものの、昨季は年間総合3位。上々の結果だったが、二人の顔に笑みはなかった。

 今季もチームは継続。問題は解消されたようには見えなかった。第1戦5位、第2戦5位、第3戦9位と、成績はさらに低迷。同い年ながら経験の浅い村上を「追い詰めていた」と金田は語る。

 しかし、8月に行われたジャパンレディースをきっかけに変化が訪れる。準優勝に終わったが、「ヘンな欲がなくなり、久しぶりに楽しくプレイができた」(村上)一度はビーチバレーから距離を置き、リセットした金田と、人一倍練習を重ねた村上の歯車は噛み合いだした。常に相手の先手を取る金田の戦術に、より敏捷性とスタミナを増した村上が応えた。

 今大会の準決勝では、先週優勝している草野・尾崎組に対し一歩も引かず、各セット先行しながら追いつかれる展開にも集中力が切れなかった。リズムが悪くなるとすぐに二人のポジションをスイッチ。常に狙われる村上が我慢してサイドアウトを切っていった。

 川崎のコートは砂が深く機動力を看板にしているチームには不利だが、村上は「深いとボールの下に潜りやすくレシーブしやすい」と言い、好レシーブを連発した。「相手は試合全体を通して作戦を立ててくる。追いつかれても焦らず最後で工夫した」と話す金田の駆け引きも成功した。

 準決勝を突破した勢いで、決勝は日本代表だった浦田・西堀組に勝った。2年掛かり、ようやく2勝目を挙げた。

 来季はまだ未定。チームとしてラストゲームだったかも知れない。「2年間の最初と最後で優勝だなんて、私たちらしい。途中もガンバレよって感じですけどね」二人は顔を見合わせて笑った。

結果は次の通り
□ 準決勝
尾崎/草野 1(24-22,13-21,13-15)2 金田/村上
浅尾/浦田(景) 0(17-21,14-21)2 浦田(聖)/西堀

□ 3位決定戦
尾崎/草野 2(23-21,21-18)0 浅尾/浦田(景)

□ 決勝戦
金田/村上 2(21-16,21-11)0 浦田(聖)/西堀

(取材・文=小崎仁久)

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