巨人・長野がキャラ立ちしすぎて目が離せないレベル

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「最近の野球選手は個性がなくて面白くない」


こんな嘆きを聞く昨今。だが、その見方は本当に正しいのだろうか?



お答えしよう。それは単に、昭和の時代と比べれば、地上波での野球中継も激減し、スポーツ新聞がプロ野球報道に割くスペースも少なくなったため、選手の個性がファンまで届いていないだけの話である。



例えば、昨年首位打者を獲得した巨人の長野久義(=ちょうのひさよし。27)は、一風変わった感性の持ち主であることが知られている。球場の駐車スペースの枠内に車を駐車することは稀で、ほとんどハミ出したまま、ロッカーへ向かう。周囲の反応をヨソに、本人はまったく気に留めていないらしい。そもそも彼にとっては、枠に収まるかどうかなんて、どうでもいいことなのだろう。



また、昨年あるスポーツ番組に出演した際、「地球最後の日に何を食べたいですか?」と質問されたときのこと。普通ならば「フォアグラ」「極上の寿司」などと答えそうなものだが、長野は何の迷いもなく、「パン」と色紙に大きく書いた。とにかく、パンが好きということだけは伝わってきた。



ほかにも、飲食店で行われたテレビの座談会では、キャプテン・阿部が話している最中に箸を落とし、さらに「すみません〜」と店員を呼ぶなど、空気を読まないところも、どこか憎めないキャラクターである。



これだけ聞くと、おおざっぱな性格に思われがちだが、野球に関しては几帳面である。ロッテ、日本ハムと2度の指名を拒否し、09年秋にドラフト1位として念願の巨人入りを果たした長野。デビューは、11月のファン感謝デーの紅白戦。巨人は、SMAPの中居正広率いる『ブラックバラエティ』チームと対戦していた。代打として登場した長野は、KAT-TUNの亀梨和也投手と相対することとなる。



レクリエーションとして行われている試合にもかかわらず、長野はまさかの四球を選ぶ。東京ドーム内が、「……え?」と戸惑いの空気に包まれたことは言うまでもない。



とはいえ、試合での実力は折り紙つきで、昨年の最終戦では、1対2とリードされた9回裏無死満塁で代打として登場し、サヨナラ満塁弾を放ち、自身の首位打者とエース・内海の最多勝を確定させるなど、勝負強さも兼ね備えているのだ。



地上波中継こそほぼなくなったが、BSに切り替えれば、巨人戦はほぼ毎試合中継されている。デジタル化で、地上波とBSの区別はほとんどなくなった。


こんなときだからこそ、たまには、ビールを片手に久しぶりに巨人戦を観ながら、長野の活躍にツッコミを入れるのもいいかもしれない。