【鎖につながれる欧州】
この週末、ヨーロッパが紛糾しています。

その理由はEUがアイルランドに対して「据え膳」を喰う事を無理強いし、アイルランドがそれを拒んでいるからです。

この「据え膳」とは欧州金融安定化取極(EFSF)を指します。

EFSFは5月にユーロ危機が最高潮に達した際に欧州連合各国が打ち出した措置であり、ドイツ、フランスなどをはじめとするEU各国が特別目的会社のようなものに緊急のファンディングをプールする仕組みです。

資金繰り困難に陥っているアイルランドの銀行の借金の借り換えをEFSFが面倒を見るという話なのです。

(救ってくれるというのだから、いい話じゃないの?)

普通なら歓迎すべきところかも知れませんけど、話はそれほど単純ではないのです。

なぜならEFSFがアイルランドの銀行を救済するということは、すなわち借金の取り立て人がブリュッセルに移ることを意味し、本来、アイルランド国内の商業用不動産の焦げ付き問題であった今回のアイルランド危機が「国内問題」から「EUの問題」へと変質するからです。

「国民ひとりひとりの将来をブリュッセルの鎖につなぐわけにはゆかない」

EUからの「救済」の本当の意味を悟ったダブリン政府はEUからのプレッシャーに猛反発しはじめています。

ウォールストリート・ジャーナルは:

Ireland’s government remains reluctant to accept the loss of sovereignty.
(アイルランド政府は主権の喪失の事実を容認することに難色を示している)

と解説しています。

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